第12話 金銭感覚と婚活とヨーグルト
ローソン100での話。
「あら、これ。ひよこさん(夫)が言ってたやつやん」
ふと、手に取りました。
美しいくびれをした女性のようなフォルムにセクシーに赤色のフィルムの帯をしています。
そう、R-1ヨーグルトです。
「とにかく体にいいから毎日飲みたい。でも毎日飲んだら破産する」
と言われていたことも同時に思い出しました。
値段を見ました。税抜きで150円。たった112ミリリットルしか入っていません。
量は、ファイト一発のオロナミンCの半分強です。
「二人で一日300円だとしたら、1ヶ月で9,000円!! うひっ!」
そう言って私はR-1ヨーグルトから手を離し、隣に陳列してあった100円400グラムのヨーグルトを買いました。
ーーヨーグルトだけで9,000円も払えるかよっ、富豪かよっ!!!
と悪態をつきながら歩いておりました。
夫にもR-1ヨーグルトが1本150円であることを伝えました。
「高すぎる! そんなの毎日飲んだら破産する」
全く私と同じことを言っていました。
そこでハッとしました。金銭感覚が同じというのは、こういうことを言うのだと。
ヨーグルトに9,000円を出すのが平気な家ももちろんあるはずです。
「まとめて買えば、少しは安くなるわよ」と1ヶ月分がさっと買う家庭もあるでしょう。
実際にR-1ヨーグルトは2009年から発売されロングセラーです。時々買う程度の客しかいなければ生産停止になっていたに違いありません。
一方が「体にいいんだから9,000円払っても惜しくない」と思っていたらこれは結構深刻な問題になります。
我が家はお小遣い制ではありませんが、なんとなく1万円という感じになっています。
一瞬で飲み干してしまうヨーグルトと、ひよこさんや私の1ヶ月のお小遣いと一緒になるというのはなんとなく気が引けます。
多分、私が惜しくないと言えば少し不穏な空気になったでしょうね。
つまり、金銭感覚とは、ある出費に対する不快感が一致することではないかと気づいたわけです。
この話実はまだ続きます。
ひよこさんとのやりとりの後、「どうやったら安くR-1ヨーグルトを飲めるのか」ということを一日中考えていました。ちょっと粘着質な変態ですね。
まとめ買いでどれだけ安く出来るのかとかいろいろ調べましたが、R-1ヨーグルトは横綱でした。全然負けてくれません。
で、苦し紛れに思いついたのが、R-1ヨーグルトの培養です。
魔法瓶の中に、牛乳とヨーグルトを入れて一晩たったら全部ヨーグルトになったという幼少の記憶を思い出したのです。
「魔法瓶、いや、あれから35年以上経ってる。もっと確実にヨーグルトを発酵できる機械があるかもしれない」
そう思って、Amazonで調べたら、見事に2,000円程度でヨーグルトメーカーがありました。
「ヨーグルトメーカーを使えばR-1ヨーグルト1本で牛乳パック1本分のヨーグルトができるかもしれない。2,000円使っていい?」
「いいよ! 成功したらすごいコスパだよ」
と夫婦は一致団結。
この2,000円出費に対する不快感は双方ゼロというのがミソです。
何にお金を使うのかは、その人の人柄がめっちゃ見えます。
私たち夫婦は、コスパが良くなるか良くならないかはわからなくても
良くなる可能性がありそうなら実験(出費)をしたいと考えているということなんです。お金の使い方を聞けば、人生の価値観も見えてくると言うわけです。
なんと牛乳パックのママ入れられるんです。容器に移し替える必要はありません。
牛乳パックの中に液体のR-1ヨーグルトを入れて、パックの蓋を洗濯ばさみでとじます。その物体をヨーグルトメーカーに入れるだけです。
3日後、私の仮説検証は成功しました。
立派なR-1ヨーグルトが完成しました。ただし、メーカーはこんなやり方を推奨しておりませんので、もしやるとしても自己責任でお願いします。
牛乳が230円、R-1ヨーグルト150円で1リットルのR-1ヨーグルトが完成します。
これを1週間〜10日かけて食べます。400円前後しかかかりません。
ヨーグルト破産はこうして免れました。
しかし、悲劇がある日訪れました。
「培養したR-1ヨーグルトでヨーグルトを作れるのだろうか」実験です。
2回ぐらいは大丈夫だったのですが、3回めぐらいには、原因不明の白キノコみたいなのがいっぱい出てきて、白目になりました。
やっぱり雑菌がついてしまうので、R-1ヨーグルト以外のものも培養してしまうようです・・・。ほんまに気をつけてください。やっても1回ですし、自己責任です(2回目)
涙を飲んで捨てました。
以上!
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