第10話 無申告と結婚
ーー株式会社チューリップ、3年連続無申告。
「何、その会社?」と思われた人がいるかもしれません。
この会社は、お笑い芸人チュートリアルの徳井義実さんの個人事務所です。
吉本興業からのギャラを自分の作った会社を通して受け取っていました。
会社にする利点は、ギャラの受け取りですね。
個人で受け取ると源泉徴収されますが、会社で受け取ると消費税プラスでもらえたりします。源泉徴収されないので、手取り額が実質増えます。
徳井さんの場合は個人で受け取っていたら源泉徴収されていたので、こんな大きな脱税の問題が起こらなかったでしょうね。
(源泉徴収をした吉本興業がその税金を支払うということになりますね)
かなり簡略的に書いていますので、難しい話は専門家に任せます。
そのとき、私が思ったことは、
「徳井さん、結婚していたらこんなことになっていなかったやろうな」ということです。
結婚して奥さんにお金のことをあれこれ聞かれていたら、決算はやっていたでしょうね。徳井さんがめんどくさがったとしても代わりに奥さんが経理担当としていろいろ動いてくれた可能性かなり高いなあと。
徳井さんは、結婚をしないことで大きなお金も地位も今後の収入も失ってしまったんじゃないでしょうか・・・。経理を雇う金も税理士を雇う金も余裕であったのにものぐさでやらないなら、お尻をたたけるのは家族ぐらいしかいませんから。
で、昨日、似たような事件が私に起こったんです。
あ、税金のことじゃないですよ(滝汗)
私はクリスチャンで毎週礼拝に行っています。
毎月第4週には、PA(音響)をしているんです。
簡単に言うと、マイクの音をしっかりと管理する仕事ですね。
120名ほど入る場所でのPAなので、それなりに音が出ないとだめです。
地声だと、声を張り上げても一番後ろまで声が届きません。
んでね、ここからなんですが、PAの機械が馬鹿になっていたんですよ。
バグっていたといった方がいいかも。
動かしても、動かしても音が出ない。
頭が真っ白になりました。
そのとき、夫がですね
「明美ちゃん、まずPAの機械がわかる人に電話をしよう」
「わ、わかった」
それで私は電話番号を事務局でもらって電話をかけました。
機械がわかる人は仕事をしている真っ最中でした。
「あかん、仕事をしてはる」
礼拝開始まであと30分を切りました。
私は冷や汗をかいていました。
「明美ちゃん、簡易PAが予備にないのか、事務局で確認や」
「わ、わかった」
もう、わかったと言っては事務局に走るマシーンです、わたしゃ。
そして簡易PAがやってきました。
夫が私の元まで走ってきて、一緒にPAの機器の組み立てを手伝ってくれました。
初めて使うものをしかもバラバラになっているものを組み立てるのはかなり大変です。私も夫もやったことがないことをずーっと繰り返して、音が出るまで頑張っていました。
あと10分になっても音が出ません。
「もう、無理や。これ」
「明美ちゃん、最後まで諦めないで」
私は、夫に励まされてずーっと頑張り続けました。
そのときです。
仕事をしていたはずの機械がわかるAさんがばばば〜っとメインPAをさわり、
システムを超スピードでさわりはじめました。
「プログラムがバグってたの、直った。音を出してみて」
Aさんはそう言うと、私と夫はマイクの前に立ちテストをしました。
「あ〜」
音が礼拝堂に響き渡りました。もちろん特別な音じゃありません。
毎週聞いている平凡な音です。
でも、こんなに音が出て涙があふれそうになったことはありません。
礼拝開始7分前でした。
そしてAさんは猛スピードで仕事に戻っていきました。
タクシーすっ飛ばしてわざわざ来てくれたそうです。
すべてが日常に戻りました。
私は礼拝後、
「よく助けを求めて、対応できたね」と事務局の人に言われました。
ハッとしました。
いや、これはすべて夫が手配をしたことで、私はただ言われたとおりやっていただけだわと。
Aさんにももちろんめちゃくちゃ感謝しています。だって仕事場から猛スピードでここに来るのってほんまに大変なことです。
でも、私がどんな状態になっても「大丈夫だから」と励ましながらそばにいて的確な判断をしてくれた夫の存在はかけがえのないものだと思いました。
私に夫がいなかったら、多分今日はマイクの音なしでとんでもなく不自由な状態になっていたことでしょう。これ、徳井さんの話と似ていませんか?
私は同じだと思いました。
東京進出前の徳井さんを大阪のローカル番組で見ていました。2011年に結婚のために上京して心細かったとき、徳井さんが東京の番組に出ていたことですごく慰められました。
大阪の芸人さんも東京で頑張っているんやから私も頑張ろうと、東京での慣れない生活に時には涙しながら踏ん張りました。
だから本当に寂しい。
お金が入ったり、地位があると「嫁なんていらんわ」と思う人もいるかもしれません。嫁ができることは外注でなんとかなると思っている人もいるでしょう。
でも、何かあったとき、自分がとんでもなく不利だったり、理不尽な立場に立たされたりしたとき、それでも応援してくれるのは家族です。
やっぱり私は家族がほしいという方に家族を持ってもらいたいと強く思うのでした。
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