第2話 結婚相談所は芸能事務所に例えられます
結婚相談所は、検索ベースでの出会いが主流になってきています。
例えば、「身長170センチ、大卒、35才まで、都内」など、検索をしてその結果の中からお見合いの申し込みをするという感じです。
どの結婚相談所も同じシステムを会員に提供します。
「だったらさ、どの仲人の相談所に行っても同じじゃん。安いところでも高いところでもサービス同じじゃん」
って思いませんか?
少なくとも私はそう思っていました。
「こんなん安くしないと人気の結婚相談所にはならんやろ」と。
実際は、そんなに簡単な話ではないことが結婚相談所を始めてからわかりました。
まず、受諾(お見合い成立のこと)にはどの仲人さんの会員なのかが大きく影響します。これは会員の画面からは見られません。仲人の画面のみ確認できます。
私は「この仲人の会員はすごくしっかりしている」と思ったら、会員に猛プッシュすることもあります。(数名、そういう名仲人がいらっしゃいます)
仲人さんによって見事に会員のカラーが出ます。
例えば、うちだと、男性は優しい系が集まります。
高圧的な男、神経質な男、男尊女卑な男は入会面談で断るので。
(結構話していると透けてくる)
仲人によって入会基準は異なります。
スペック重視の人もいれば、見た目重視の人もいるし、何でもOKの人もいます。
おのおのの方針によって会員が集められるわけです。
まさに、芸能事務所です。
芸能事務所の場合、
大手事務所なのか、零細事務所なのかはタレントの芸能界で売れるかどうかを
かなり左右するものになります。
どんな事務所に入っていても突出して売れるタレントもいます。
しかし、大きいところにいたら、そこまで突出していなくても
バーターのような形で露出を重ねられるチャンスもたくさんあります。
また大手事務所メンバーだけで番組ができちゃうこともあります。
これは結婚相談所で言うと、自会員同士のお見合いを成立させることで、お見合いゼロにしないという大きな力になります。実際に年に数組、私の会員同士での成婚があります。
100人規模になれば大きな結婚相談所の部類に入ってきます。
すると、その組織の中では存在感が出てきます。私はまずここをめざし、現在達成しております。
ちゃんとした会員を入れていれば、
「大西さんところの会員はきちっとしているし好感度高い」となります。
うちに新しい会員が入ったとき
「大西さんのところとなら安心してお見合いさせられるわ」
となりやすいですよね。
逆にやばい人ばっかり入れていると、「大西さんのところ要注意」
になってしまうんです。
だから、私は入会面談をするとき、
「ほかの会員のマッチングに影響をしないか」ということを考えながら
面談をしています。一人変な人を入れたせいで、
「大西さんのところとお見合いするのいや」と仲人に共演NG出されたら、
ほかの会員にとっても機会損失になってしまうからです。
とはいえ、最初からこんなことを考えていたわけではありません。
私が新人の時は、「とにかく会員を入れなきゃ」と誰でも入れていました。
結果、今では考えられないようないやな思いもしてきました。
人間を見ないで、数だけを追いかけて入会面談をしていたら、そりゃろくな人は来ません。
お金を追いかけて仕事をすると、しっぺ返しくらいます。
すべて自己責任です、はい・・・。
みんな通る道です。かなり痛い道です。
そして1年で半分以上の仲人が業界から去って行きます。
私も1年目が一番やめたかったですね。後悔先に立たず。
つらすぎて泣いて、悔しくて頬の内側をぎゅっと噛んでいたら、あるとき噛みすぎて出血しました。
あわてて病院に行きましたよ、ええ。
それでもなんで続けられたのか。10年も。
それは、多分、人間をもっと知りたい、私の知らないことを知りたいという好奇心がガソリンになったからでしょうね。
10年たっても、毎日が想定外です。やめられませんね。
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