第6話 右行く? 左行く?で婚活の運命が変わる話

えー、第5話で話した篠山紀信の写真展「写真力」の帰り道の話です。

すべて展示を見終わったのが11時でした。


「さあ、お昼にしよか〜」ということでランチ場所を探すことに。

ふと、頭によぎったのが、結婚相談所の会員たちの顔でした。



お見合いというのはお互いが希望すると、電話番号の交換をします。

通常、男性から連絡をして1〜2週間後にデートをする運びになります。


冷静に考えてみてください。

1回会ってただ連絡先を交換しただけの二人がデートをするんです。

むちゃくちゃ難易度高いですよね。


ーーこんな写真展を見に行った帰りに「お昼どこにしまひょか〜」なんて

男性が言ってしまったらもう最後なんやろうなあと。

ちゃんと素敵なランチを予約するのは必須。ましてや行列に並ぶとか婚活の自殺でしょう。


そんなことを思っていたら夫から

「明美ちゃん、お昼どこにする?」とのお言葉が。

めっちゃシンクロするやんか。


ふと東京ドームシティの案内板を見上げると、

左にフードコート、右に東京ドームシティホテルのビュッフェのご案内がありました。


もう一度スマホの時計を見ると、11時3分との表示が。

お昼前だから、予約をしていなくてもビュッフェが食べられるかもしれません。


「せっかく遠出したし、ビュッフェ食べたい」

「明美ちゃん、遠出って同じ文京区内やないかい」(注 こちら文京区在住)

「あ、ばれた?」

「あかん。もったいないから、フードコートな」


もったいない・・・ん、何が?


ーー明美の脳内クイズ!じゃじゃん。三択です。

1番「たかが私と食べるのにフードコートはもったいない」

2番「ホテルのビュッフェはきっと高額だからもったいない」

3番「こんな近場で贅沢をするのはもったいない。遠出したときにお金を使おう」


「さあ、正解はどれでしょう」と頭に一瞬よぎりました。


しかし、首をブルブルとして、考えを蹴散らしました。

ーーいまこれを追求した先になんか幸せあるか?と。


1番やったらマジでへこむし、2番3番選んでもやったーとはならないし。

もう知らなくてもいいや。


そんな的確な判断をしたあと、渋々フードコートへと左に曲がりました。


少し歩いて後ろを振り返りました。

「ホテルビュッフェ 北海道展」という文字が輝いていました。


ーー婚活やったらフードコート選んだら絶対あかんよな。ビュッフェが正解よなあ。


婚活って何がお金かかるって、ご飯代なんですよ。

フードコートで食べれば一人1,000円も行きません。今回は一人600円でした。


でも、ホテルビュッフェなんて選んだらサービス料込みで一人3,500円以上します。

フードコートの6倍ほどのお値段になります。うひっ!


それを割り勘したら「この人は私を軽く見ている」と女性に嫌われ、

「1,000円だけ」と女性のほうに手を伸ばせば、「けちくさい男や」と2,500円余計目に払った事実が消えてなくなってしまうぐらいの結果になってしまいます。


特に私の男性会員は平均年収600万円は軽く超えておりましてね。

若い女の子と交際が成立しますね。若い子からみたら、男性会員は金持ちです。

そこで割り勘なんてしたらまあ、もう婚活の自殺です。


彼らは、篠山紀信の写真展行くって決めたら、しっかりドームシティホテルで予約をとることでしょう。

そして全額払うことでしょう。クーポン券持っていても涙をのんで使わないことでしょう。


そんなことを思いながら、フードコートに向かいました。

まだ11時すぎたばかりなのに、ファミリーで9割方埋まっておりました。

すし詰めでご飯を食べることに。となりのテーブルと30センチぐらいしかあいていないので、会話は丸聞こえです。


あたりでは、子どもたちがギャオギャオはしゃいで、大きな声で笑い、泣き叫び、

となりの席に座っていたOL風の女性たちはひたすら同僚の悪口を言っていました。


でも不思議と、夫婦で食べるご飯はなんでもおいしいです。

頼んだハンバーグはちっちゃいわらじみたいでしたが、それでもいい。

全然足りませんでしたけどね。マジでペラペラやったんで。


ビュッフェで食べながら会話を考える苦悩、会話は楽しいけど、わらじハンバーグを食べる苦悩。


あなたならどっちがいいですか。


私なら、、、

死ぬ気で会話がんばるので、美味しいビュッフェが食べたいです。

(そこは、フードコートと言いましょうや・・・)


以上!

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