第2話取り敢えず話だけは聞いておく

「何かあったのか?」

俺は取り敢えず聞いてみる事にした。さあ、来いよ!オカズの話でも最近のくだらない話でもなんでも来いよ!全部聞いてやんよ!

「うぇーとね、す、すしゅきなふぃとばいるねんけぢょ、ふぁたしまったくはなじかけりゃれなくちぇ…」

えーと、

何て言ってるか分からないけど、

どこの方言?君何人?群馬県民?


俺はさっき賀子が言った言葉をすこしずつ頭の中でリピートアフタミーしながら解読した。ふむふむ。

たぶんこうだ!


賀子は、好きな人がいるが話しかけられない。


ほう。恋愛相談かよ。俺に?

俺らに?出来ると思ってんのかこいつ。


「で?お前はどうしたいんだ?」

秋山が聞く。積極的でやんすねー旦那。

「えーとね、陽太くんと普通に話したい!」

ふむふむ。

なるほどな。

(っておい!お前普通に話せるやんけ!あと好きな人思いっきり言うんかい!)

まぁここはあえて突っ込まないでおこう。


「おい!てめぇ、寝むたいだけだろ?」

「え?そんなことふぁ~いよ」

あくびをしながら答える。

確信犯確定!

「今そんな事はどうでもいい。つまり陽太と話せればいいんだな?出来れば2人だけで!」

秋山が真面目だ。こんな秋山きゅん見たことない!キラキラ。

「うん」

「成る程、まぁ頑張れ!」

「冷た!床より冷てえなお前!」

「頑張れじゃない!手伝ってぇぇ。」

「え?何で俺が手伝わなきゃならないんすかね?」

俺はめんどいのに手伝う気は無い。あと勝算が無い戦にもな。因みに賀子のやつは前のやつだ。

「意織手伝ってやろうぜ!w」

何でお前そんないい奴なんだ、秋山!と言うような言葉が喉の所まで出かけたが、微妙に笑いながら言っているのに気付きやめた。

俺はすこーしだけ考えた。が考えるのを辞めた。こういう時はやってみる方が楽な気がするってソクラテスかアルキメデスかなんかが言ってたような……言ってないな。

「仕方ねえな。」

気だるげに呟いてやった。

「わーい。」


こうして、俺と秋山で賀子を応援する事になった。

めんどくさ。

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