分かり合える、透明さ


ピアノ教室で出会う少年と社会人の私。

ミヨシくんはいつも折り紙を折り、ドビュッシーのアラベスクを弾きこなします。その姿は白く、美しくか細いひな鳥のようです。

私はそんなミヨシくんに不思議な印象をもっていましたが、徐々に彼のことを知っていきます。

何故彼が不思議な雰囲気を纏っているのか、髪が切りそろえられているのか、何故折り紙を折っているのか。

彼の真実を知った時から、透明な存在に近づいていきます。
止められない流れだとしても、その流れを受け入れて交流を深める二人の距離が愛おしくなります。

不健全な愛を差し出し、それを受け入れた彼ら。
ほろりと苦いケーキを食べた時のような幸福感が身を包みます。

幸せな二人の物語です。

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