息を呑む描写力。

作者様の筆力、描写力の高さに、脱帽です。

病のために成長が止まり、10歳前後の容姿でありながら、実際にはもう大人の年齢のミヨシくん。
彼の容姿と精神年齢の大きなズレを、作者様は大変魅力的に描き出しています。
病のため、やがて小さな雛鳥を連想させる姿になりながらも、内面の「大人の男」の魅力や色気が外へと滲み出す——何とも秀逸で絶妙な描写技術。
死に近づいているミヨシくんの描写。その周囲の、半ばあの世と繋がってしまったような空気の描写。言葉にならないそういうものが、迷いなく正確に綴られる不思議。
物語そのものの面白さ、素晴らしさはもちろんですが(他の方々のレビューで既に明らかです)、読者に見せたい情景を一切のストレスなく高い透明度で目の前に展開していく非常にハイレベルな筆力を、ぜひ多くの方に味わっていただきたいと思います。

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