純度の高い文學

 医学、音楽、美術が白百合の病に罹った美少年の美しさをより高次なものへと導いていって、日常の中の非日常、非日常の中の日常を絶妙なバランスで与えてくれます。
 すべての文章を一字一句読んでも苦にならないどころか、力を入れずとも滑り込んできて、のめり込んでしまうような視点の切り替えや心理描写などの文章は推敲なしであれば天才的で、推敲して練り上げられたのなら悪魔的な表現力だと戦慄しました。
 とにかく純文学として出版社の方が発行するべき作品だと思いました。

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