概要
言葉というナイフを握り締めて
綺麗なままでは生きられない時もある。
どうせ汚れた世界だ。
くだらない世界だ。
そう言う自分も同じだ。
そう言う言葉も同じだ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!怒りの美しさ
人は怒ると、普通、言葉が乱れます。怒気にあふれた声や言葉には、近寄りがたいものがあるし、あまり見栄えがいいとはいえない。怒りが憎悪にまで高まると、言葉はなおさら醜くなることが多いでしょう。だから、怒りの表明には慎重にならざるを得ない。そして怒りを隠すうちに、初めからそんな感情はなかったというように、こころを偽ってしまうことも多くなるかもしれない。
でも、喜怒哀楽と俗にいうように、怒りというのは真っ当な感情のひとつです。それを抱えてしまったなら、解放する糸口をなんとか探さなければならない。たとえ、だれも傷つけたくないし、だれとも争いたくないとしても。そんな、表現せざるを得ない、切実な怒りを込…続きを読む - ★★★ Excellent!!!汚れた振りをした、汚れ無き者の断末魔
何度も繰り返す言葉の裏側に、私は言葉とは違ったものを見て取りました。
「いなくなれ」と、「ざまあみろ」
まるで、「本当の自分をもっと見てくれ」、「こんなに汚れた言葉を吐ける自分を誰か愛してくれ」と云っているように感じます。
でなければ、一体誰がこんなに曝け出せるでしょうか。世間は醜いものを嫌います。汚いものから目を背けます。でもこの吐き出している本人はわざとそういった言葉を吐く。彼の中で巻き起こる矛盾。それは、汚いとされたそれらを一心に受け止めた結果なのではないでしょうか。そしてそれを半ば強行的に認めさせるように、ナイフへと形を変えさせた。共感を得たいのなら、もっと別の言葉があった。…続きを読む