天空の標

作者 蜜柑桜

106

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★★★ Excellent!!!

一読した時、「おおーっ!本格ファンタジー小説だー!!」と腰を抜かしました。
上橋菜穂子や栗本薫をはじめとした、以前読んだ重厚なファンタジーの数々を思い出し、懐かしい気分になりました。
特に栗本薫のグイン・サーガがお好きな方はハマるんじゃないでしょうか!(適当ですけど!ソースは私ですけど……!)

絶対中立国シレアの王子・カエルムが表敬訪問として南の隣国・テハイザに赴くところから、物語が始まります。
しかしながら、テハイザは怪しい雰囲気。カエルムも、軽々しく扱われるという様。しかも、テハイザにある天空の位置を示す天球儀が止まり……。どんどんと事態は混迷の度を増し、王子は陰謀に巻き込まれていきます。
王子が従者のロスとともに陰謀を駆け抜けていくさまは、なにより血肉湧き躍りました!
解決の仕方も本当に満足のいく「本格ファンタジー」らしさ。カエルムと「とある人物」が同時に物事を解決するさまは、一種の映画やアニメを見ているように鮮やかで神秘的です。


凄まじいと思ったのが、他の皆さまも言及されているように、文章の美しさです。緻密な描写力と、言葉遣いの端正さが、目の前にありありと、この物語の世界を形作っていきます。
何度惚れ惚れしたことか……。

読めて良かったです!
テハイザ王が好きです!素敵。


※お星さまを投げてからレビューコメントを書くのに時間がかかりましてすみません……

★★ Very Good!!

物語は、主人公カエルムが隣国のテハイザを訪れるところからはじまります。
カエルムの国であるシレアと隣国のテハイザは、緊張関係にあります。
それを解決するために、カエルムは王子でありながらもテハイザ王に会いに来たのですが……そこで、テハイザそしてシレアに異変が起こり、カエルムは予期せぬ事態に巻き込まれていきます。

主人公のカエルムは好青年でとても好感が持てますし、彼に振り回されぎみな従者ロスも魅力的です。
さらに、明るい少女スピカや穏やかな青年クルックス。出てくるキャラがみんな印象に残ります。

それだけでなく、描写がとても美しいです。この物語で、カエルムはほとんどテハイザ城から出ないのですが、飽きません。
城の美しい造形、城から望む海と空……まるで彼とともにテハイザ城を歩いているがごとく、風景が目に見えてくるのです。


その中で起こる、テハイザそしてシレアでの異変と見えないテハイザ側の思惑――カエルムが無事に事態を切り抜けられるのかどうか、見届けてみませんか?

ちなみにこちら、世界観設定と時間軸を共有する姉妹作品もあるようですが、この作品だけでも十分に楽しめます!

★★★ Excellent!!!

読了済みです。
「異世界ファンタジー」ジャンルの作品ですが、魔法は出てきません。西洋風の世界が舞台です。

シレアとテハイザ、両国が所有する国宝に異変。
その前代未聞の事件を舞台に、テハイザに訪問・逗留しているシレアの王子カエルムが、この事件に挑む。
テハイザに伝わる伝説を交えた推理を含む、テハイザ城内を舞台にした作品です。
カエルム王子はイケメンで隙が無く、女たらしな上に何事にも完璧。強いて言うなら――ここは読んで頂いて確認してくださいませ。

作者さまがあとがきでも書かれておりましたが、こちらの作品は、元々同じ事件――シレアを舞台にした作品の派生だそうです。
※私はまだ当作品しか読んでおりません。
同じ事件のテハイザ国・カエルム王子視点が当作品に当たります。
そのため、敢えて語られなかった点、匂わせのみで終わっている部分(終盤)などがあり、片方だけでは消化不良……そのため、もう一つの作品も読みたくなること請け合いです。

硬派系の文体で、高水準でまとめられており大変読みやすく、腰を据えてがっつり一気読みをオススメします。

★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジーと銘打たれた本作ですが、魔法なんかはでてきません。

むしろ時空を超えた中世ヨーロッパのような地方への旅行記だと思って読んだ方が楽しめると思います。

そこに描かれている街と海と城の風景を味わいながら、若き王子となった気分で優秀な部下を連れて諸国漫遊としゃれこみましょう。

きっと作品世界の虜になること請け合いです。

★★★ Excellent!!!

もしも今、宇宙の中に一人だけ放り出されたら?
想像したことがあるだろうか。
漆黒の闇。完全な無音。
四肢を伸ばしても、触れるものが何一つない空間。
上下も左右もわからず、地面もない。

そんなところに放り出されたら、私なら狂うのに何分とかからないだろう。

人はベース(標)となるものを求める。
それは地面だったり、時間だったり、我が家だったり、母の腕の中であったり、父の大きな手であったり、人によってまちまちかも知れない。
だが、確実に言えることは「標なしには自分を見失う」という事だ。

しかし、標は絶対的なものではない。
その大地がいつまでもあるとは限らない。
自分の考えていた時間と違う時間が流れ始めることもある。

物事は絶対的なものではなく、相対的な事で成り立っているのだ。
だが、人は心の安寧の為に相対の中に絶対を求める。
それがあるだけで落ち着けるのだ。

ならば、標を失った時、人はどうするのだろうか?

その問いに正面から立ち向かった二つの国は、かつては友好国であったが、現在はあまりその関係は芳しくない。
海の国の王と山の国の王子は、秩序を失った民の標となるべく、それぞれの国の宝である石に未来を託す。

碧玉と桜珊瑚。
片や海の色を映し出した、山の石。
片や花の色を映し出した、海の石。

天の動きを標とした海の民と、時の流れを標とした山の民の英知が一つになる時、世界は再び動き出す。

全てのシーンの描写が絵画のように美しい。
本格的なハイファンタジーに飢えている人にこそ読んで欲しい珠玉の一遍である。

★★★ Excellent!!!

私たちの生活の中に当たり前のように溶け込み、当たり前のように永久に続いていくかのように思えるこの世の理。それは刻まれる時であったり、星々の巡りや沈んでは登る太陽であったり……。
このお話には、そうした理を示し刻む国の宝が登場します。その宝も当たり前のように動き、理を人々に示し続ける。それがある日突然止まってしまうのです。

当たり前ってなんだろう。どうして時は流れ天は回るのだろう。そもそもそれって永久不変のもの?私たちが標としているものの確かさはどこからくるの?

読み終えると、別世界のお話なのに私たちの世界とも重ね合わせてついつい考えてしまいます。それだけ他人事とも思えないし、別世界だけれど本当にどこかにある世界のように思えてしまうんですね。

表面的なものじゃない。壮大な世界観と理が基盤となり、それを感じることのできる本格的な異世界ファンタジーがここにあります。

★★★ Excellent!!!

次期国王になることが決まっている王子は隣国に表敬訪問に訪れるが……
歓迎してないんですよねー…、やんわり監禁状態にあってしまい、王には会えず、自国からは何やら不穏な知らせも舞い込んできて……

どうする、どうなるって割とピンチな状況なんですが。

美丈夫で天然たらしの王子と軽口を平気で叩く従者のコンビが軽快で重苦しい雰囲気の中でもさっぱりとした面白さがあります。さらに元気印の娘っ子も登場して、ちょっと小生意気な態度で物語に華を添えていき、バトルシーンもあって物語は佳境に……!!

半分ほど読んでこの日は止めようと思ってたんですが、続きが気になり過ぎて一気読みになりました。あっという間です。面白かった。設定や世界観、古文書の登場、と重厚でありながら、読み口は軽やかでハラハラしながら楽しみました。

王道の異世界ファンタジーが好きな方、おすすめです。
冒頭からスッと世界感に入り、そのまま異国情緒に頭の上まで浸りましょう。

★★★ Excellent!!!

お話の流れは、他の方々が素晴らしいレビューをしておられますので、そちらを参考にして頂くとして。
私がお勧めしたいのは、やはりこの作者さんが描かれている「世界の描き方」ですね。

ファンタジーとは、「現代ではない場所」を舞台にするわけですから、その舞台描写が重要であると私は思うのです。
つまりは行ったことのない、見たことさえない場所をどう「描くか」ということなのですが、この作者さんの実力は折り紙付き。
あたかも自分が「その世界」に居て、このお話を体験しているような気持ちにさせてくれるんですよ。
つまりは没入感が半端ではなく、作品にどっぷりと浸かれること請け合いな訳ですね。

という訳でみなさん。是非この「世界」を体験してみて下さい。
それはきっと、素晴らしい「旅行」になると思いますよ! オススメです!

★★★ Excellent!!!

異世界ファンタジーというと、なんとなく中世あたりのヨーロッパを崩したようなものを想像しませんか。

物語も、それを前提にするすると進んで、読み手はなんとなくどこかで見たイメージで補完して。

違うんですね。行き届いた描写と、決して過度ではない細やかな舞台装置をひとつひとつ拾い上げていけば、こんなに鮮やかに世界を描けるんですね。

始まりから終わりまで、私はちゃんとこの世界にお邪魔しました。ずっと映像のようにこの世界が見えていて。それだけじゃない。音が聞こえるんです。

古文書の文章。そこに書かれたこの世界の詩。荒れ狂う波の描写。そしてクライマックス……。

文章を通して、世界の音が聞こえてくる。本当に素晴らしいんです。


もちろん描写だけじゃない!キャラクターも個性溢れて皆生きていて。カエルムの人たらしな面など、私は大変気に入っておりまして。あとスピカ可愛い。めんこい。

全て読み終わると、冒頭『旅のはじまり』がぐっと来ます。

腰を据えてじっくり浸るべき作品です。

★★★ Excellent!!!

一国の王子カエルムが従者ロスとともに
他国に外交交渉にきています。
この二つの国はとなりあっていて
山の国と海の国といってよいでしょう。
山の国のカエムルが海の国にやってきた。

ふたつの国はとなりあっているだけではありません
天球儀と時計をそれぞれの宝としていて
どうやらこのふたつ関係がありそう。
カエムル来訪時に海の国の天球儀がとまってしまいます。
ずっと星の動きに合わせて動いていたのですな。
時を同じくして山の国の時計がとまってしまい、
国からカエムルに知らせがきます。

カエルムとロスはずっと城に足止め
城の中を探索したり、
世話係としてつけられた少年と幼女とともに
城を見学したり。古文書を調べたり。
城を舞台にしたハードボイルドの感があります。

クライマックスはカエルムが王様に会うところから。
そして、カエルムがとうとう城を出るときです。
つづけて異変が。
トンネルを走ってきて、抜けたような視野の広がり。
お楽しみくだされ。

★★★ Excellent!!!

 海に面した強国テハイザと友好条約を結ぶべく訪れたのは、シレアの王位継承者である第一王子カエルムと従者ロス。しかし、テハイザ城にある国の宝『天球儀』に異変が起こり、おなじころ自国シレアでも国唯一の『時計台』に異変が起こっていて――?

 飄々とした王子カエルムと苦労のたえない従者ロス。阻まれる王との謁見。時と天。国と人。壮大なテーマをあつかいつつ、地に足のついた描写と緩急のバランスが心地いい、硬派で美しいハイファンタジーです。そして、カエルムたちのお世話係としてつけられた少女スピカがとてもかわいい。

 ちなみこちらは、シレアの王女が主人公の『時の迷い路』とおなじ時間軸で展開する姉妹編になってます。どちらも独立した長編として読めますが、あわせて読むと、後半は特に場面場面のつながりが見えてきて、なんだかテンションあがります。興味のある方はぜひ姉妹編のほうもご覧ください。

★★★ Excellent!!!

異世界のお話ですからね、写真があるわけでも、もちろん映像で見られるわけでもないんですけど、それでもすごく伝わってくるんですよ。私ここに行ったことがあるのかな、って思うくらいに。

そして、そんな美しい異国の地をですね、これまた眼福な男性達(一応身分は隠しておきますか)が訪れるわけですね。もうイケメンなんて言葉で表して良いのかなって恐れ多く思ってしまうほど、見た目良し、性格良しなわけです。恋愛要素なんてないはずなのに、なぜ私はキュンキュンしているんだ!


描写は美しいし、登場人物は魅力的だし、そしてその上、ストーリーもめちゃくちゃ面白いわけです。これ、もっと評価されるべきです、絶対に!!

そんな思いでレビューを書かせていただいた次第でございます。

これを読んだ方! とりあえず5話! 5話読んでみましょう!!
絶対損はさせませんから!!

★★★ Excellent!!!

最新話まで駆け抜けた上で、一言!
この物語を言葉にするのであれば、不思議を取り入れた異世界ファンタジーと言ったところでしょうか。

自分の作品と比べた時に、凄いなぁ……となりました。
不思議と古文書的な文章魅力、そして物語に埋没すること間違いなしです!
シレア国の王女を主人公とした長編ファンタジー「時の迷い路」を読んでいると、もっと楽しめますし、一発でファンになると思いますっ!
こういう壮大な物語を描く人って、本当に色んな勉強をしてプロットとか丁寧に練って、熱意がないと作りえないと思うんですよね。

素晴らしい世界観と物語に一緒に埋没しませんか?
文句なしの★100つですっ!(3つしか送れない……ですとっ!?)



★★★ Excellent!!!

テハイザでは、天球儀に異変。
シレアでは、時計台に異変。
緊張関係にある2国が徐々に繋がっていきます。

詩のような始まり。上手いです。世界観に引きこまれます。


情景描写、絵のようで、綺麗でうまい。

段々と解けていく謎がいいです。

緻密なプロット、構成、完成されたストーリー。

名作です!

★★★ Excellent!!!

絶対中立を貫くシレア国の王子カエルムは強国テハイザへ訪問し王との謁見を望んでいた。
滞在中、テハイザの天球儀に異変が起き、時を同じくして自国の時計台にも問題が起き……。

第二十話まで読了時点のレビューとなります。

王子カエルムと従者ロスの関係がとても爽快です。
それぞれの個性や役目も際立っていて、二人のやり取りは大変テンポ良く面白いです。

二人はテハイザに留まることになりますが、他国の書庫で歴史書などを読み解いていく様子がとてもわくわくします。
彼らを案内する現地のクルックスやスピカといった下働きたちも良い味を出していて、今後どのように物語が進むのか楽しみです。

果たしてテハイザの王に会えるのか――。
それも大きな物語の核のように感じられます。
更新を楽しみにしております、執筆がんばってください!