第4話 考察
私たちが第2部隊の回復などをしている間に、討伐は終了。
全員を取り押さえたけれど、やはり肝心の指揮をしていた犯人はいなかった。
「いませんでしたね、犯人」
私は中野中佐に話しかけた。
「ああ、そうだな」
返事はそれだけ。どうやら第2部隊の隊員たちがが刺されたことが、よっぽどショックだったらしい。
(まあ、無理のないよね。私は血とか見慣れているけど、中佐はそうゆうのに縁がなさそうだし)
私は位てきに囚人の生存確認などに行くことが多い。
この世界の牢獄では囚人が血を流すのは当たり前で……。
戦争を起こした人たちを討伐するのだから、血などは見慣れていると思われがちだが、意外と無理な人もいたりする。
「以上を持ってこの戦争の鎮圧を完了とする。今回、各部隊の隊長だったものは明日、会議を行う。では、解散!」
多摩大佐が、そう言うとみんなバラバラと散っていった。
多摩大佐が仕切っていた第4部隊は、取り押さえた者たちを連れて、来たときに使った車に向かっていった。
(さて、私は一度本部に戻るか)
私が、能力、飛走を使おうとすると、真樹1等に声をかけられた。
「鹿野中尉、佐藤少佐が呼んでますよ」
「あ、ありがとう」
(瑠衣斗さん、意識戻ったんだ。よかった)
私が瑠衣斗さんのいる車に向かうと、座った状態の瑠衣斗さんがこちらに手を振っていた。
「瑠衣斗さん、意識戻ったんですね。よかった」
瑠衣斗さんは微笑みながら言った。
「うん、鹿野さん、君の魔法のおかげだよ。ありがとう」
「いえいえ、同僚として当然です」
私は瑠衣斗さんに今回も犯人が捕まらなかったことと私が考えた推理を話した。
「ん~、でも鹿野さん、その推理だと犯人が透明化の魔法と防御系の魔法を交互に使うっていう話が成り立たないんだよね」
「でも私、思うんですよ、本当に犯人が透明化の魔法を使うことができるのなら、第2部隊を刺す時だって使えばよかったんじゃないかって」
私がそう言うと、瑠衣斗さんは黙り込んでしまった。
結局、この話は明日の会議で話そうということになり、瑠衣斗さんは念のため、
特殊戦官専用の病院に、私は能力、《飛走》を使って本部へ戻った。
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