第7話 戦争会議①
「まだ、全員そろっていないから、楽にしていてくれ」
(は、はあ~。こんなに偉い人達が沢山いたら、楽にしたくてもできないよ)
私が、相変わらず緊張しっぱなしの時、多摩大佐が声をかけてきた。
「鹿野中尉、さっき解析班から防犯カメラの解析が終わったと、報告があったぞ」
「あ、ありがとうございます。えっと、それでどうでした?」
「ドンぴしゃだった。今まで撮影されてきた犯人の映像は全てハッカーによって合成されたものだ」
「よかったです。ありがとうございました」
「いいや、気づいたことの方がすごいと思うぞ」
「あの、今日の会議で昨日お話したことを話そうと思うんですけど、防犯カメラのことについてご協力いただけないでしょうか?」
「ああ、構わんよ」
「ありがとうございます」
「では、私はこれで」
多摩大佐はそう言って行ってしまった。
私は隣にいる瑠衣斗さんに言った。
「防犯カメラはあたりでした」
瑠衣斗さんはニコッと笑って、
「聞いていましたよ、鹿野さん。これで話せますね」
と言った。
「皆、席についてくれ」
特殊戦官最高司令官の辻村司令官が言った。
「これから、昨日あった19区での戦争についての会議を行う。まず初めに、現時点で分かっていることを、山野本部長」
「はい」
(山野本部長。確か最強の特殊戦官と言われてて、よっぽどの時にしか前線に出てこない人だ)
「現時点で分かっている事は、この戦争の中心人物が最近連続で戦争を起こしている常習犯であるという事。
それから、この常習犯は透明化の魔法と防御系の魔法を使うという事です」
(え!情報少なっ!)
私はびっくりしてしまった。
「次に、この戦争が起こった原因とは?」
「はい」
返事をしたのは、川辺大尉だった。
「今回逮捕した者の証言と現場の状態から金などを狙った犯行だと見られますが、今回逮捕した者たちは皆、大手機械メーカーの元部長であったり、会社の社長であったりなど、金に困るような者たちではありませんでした」
「今回も・・・・・か」
(今回も?)
「犯人は一体何をしたいんでしょう?」
私は、訳が分からず瑠衣斗さんに聞いた。
「瑠衣斗さん、今回もってどうゆう意味ですか?」
「この犯人は、自分に繋がらないように自分の部下に全然関係の無い場所を狙わせたりしているんだ。これ、送られてきた資料に書いてあるよ」
ギクッ!
私は慌ててターミストを操作して資料を見た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます