第6話 私のこと、みんなのこと、

ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピ。

「ん~、おはよう、サラ」

「おはようございます。燐火さん」

「いつものやつ、よろしく」

「了解しました」

私がさっきから話しているのは、AIロボットのサラ。

AIロボットといっても見た目は明らかにタコに顔がついたみたいな感じだし、浮いている。今ではどこの家庭にもある便利なものだ。

「燐火さん、これいつもの弁当です」

「ありがとう」

こうして、私はいつもより少し早い、6時に起床し、朝食を食べ、7時ちょい前に家を出た。


「おはようございます!」

私が第1部に着くと、すでに南雲さんが来ていた。

「やあ、おはよう。燐火ちゃん。今日は早いね」

「午前中に会議があるので」

私は通常、1番遅いか、下から2番めかどちらかに来ることの方が多い。

「ところで南雲さん、瑠衣斗さんから何か聞いていますか?」

「うん、聞いているよ。体もだいぶ良くなったから、今日の会議には出席するって言っていたよ」

南雲さんはニコニコしながら言った。

「おはようございます」

噂をすれば、だ。

「おはよう、瑠衣斗さん」

「おはよう、昨日はありがとう」

「素直に受け取っておく、どういたしまして」

私は微笑みながら言った。

「ふぁ~、おはようございま~す」

翔君が、入ってきた。

「おはよう、翔」

「あ、おはよう、りん。瑠衣斗もおはよう」

「おはよう、翔」

りんと言うのは翔が私につけたあだ名。私が瑠衣斗さんにさん付けしている理由は、瑠衣斗さんだけ1つ年上だから。

同僚と言っても、年齢差はバラバラなのだ。

「そろそろ会議じゃないかい。行ってらっしゃい」

「行ってきます」

私と瑠衣斗さんは南雲さんにそう言って第1部を出た。

「ところで瑠衣斗さん、昨日の件どうします?」

昨日の件とは、私の犯人に対しての推理である。

「一応、多摩大佐に防犯カメラの確認は頼んでありますけど……」

私が言うと、

「その確認結果を聞いてからでないと何とも言えないね」

と瑠衣斗さんは言った。

そうしている間に、会議室に着いてしまった。


***


ガチャ。

「失礼します、特殊戦官本部6区〜9区担当第1部所属、第2部隊隊長、佐藤瑠衣斗少佐です」

「同じく、特殊戦官本部6区〜9区担当第1部所属、第3部隊隊長、鹿野燐火中尉です」

「座りたまえ」

「失礼します」

私は体がガチガチの状態だった。

(瑠衣斗さんは、やり慣れてるな)

私は、そう思った。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る