第1話 始まりの戦争
プルルルルルル、プルルルルルル、ピッ
「はい、特殊戦官中尉、鹿野です」
「鹿野君、19区で戦争が発生。直ちに現場へ急行してくれ」
「了解しました」
ピッ
(19区か~。今9区だからすぐ着くね)
《——————飛走》
バッ!
数分後・・・・・・
「鹿野、到着しました」
「鹿野さん、早いね~。さすが
「その言い方、やめてくださいね、瑠衣斗さん」
「ハイハイ」
私の異能力の一つである《飛走》は、その名の通りジャンプしたり走ったりなどの身体機能がアップする、身体強化系の能力である。
この世界では、何人もの人が自分と同じ魔法や異能力を持っていることが多い。
だが、この飛走は履歴上、私以外誰も持っていないレア能力なのである。
「よう、鹿野中尉、早かったな」
「あ、中野中佐。お久しぶりです」
中野中佐は、私が最初に配属された部署の上司だった人だ。
今は、違う部署に移動になったため、会うのは久しぶりだ。
「中佐もこの戦争の鎮圧に参加されるのですか?」
「ああ、どうやらこの戦争、1か月ほど前から何回も出没しては、こうして戦争を起こしている常習犯が指揮をしているらしくてな」
「え!それって、憲法第11条に違反するんじゃ…」
「ああ、バリバリ違反している」
憲法第11条、魔法及び異能力者は1か月以内に3回以上テロを起こした、又はそれに加勢した場合、憲法第10条の処罰に加え、懲役3年が課せられる。
2026年に改訂された日本国憲法の一部である。
ココに書かれてある第10条の処罰とは、懲役半年、又は罰金50万円をはらわなければならないということ。この世界の牢獄に入りたくないからか皆、罪を犯した者は大体、50万円を払い、一か月以内に3回以上やるものはほとんどいない。
「そいつ、捕まらないんですか?」
「どうやら透明化の魔法と防御系の魔法を交互に使うらしくてな、今までに3回は逮捕に失敗している」
「だから、中佐が来たのですね」
「まあ、そうゆうわけだ」
中野中佐は、透明化の魔法も見破る魔眼の持ち主なのである。
「鹿野中尉、行くぞ」
「はい」
私は、中佐の後についていった。
この時私は、知らなかった。
これから鎮圧しに行く者たちの——————恐ろしさを。
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