第15話 終戦。そして…

「ひ、飛走⁉なんだその能力は!」

辻村司令官は私を汚いものでも見るような目をしながら言った。

「私が持っている能力の1つです。まあ、履歴上私しか持っている人いないので」

「……」

川辺大尉はあわあわとしていた。

(司令官とかって全部の能力を把握しているって思ってたけど、違うんだ)

私はそう思った。

「川辺大尉はあんなにりんのこと言ってたのに、能力のこと知らなかったんだ」

翔が能力を使って川辺大尉のことを挑発するように言いながら飛んできた。

「解除できた?爆弾」

私が聞くと翔は

「うん。あんな簡単な爆弾ならりんでも解除できるよ」

とまたも2人を挑発するように言った。

こんな話をしている間に川辺大尉が放った炎の円は消えてしまっていた。

「さて、りん。辻村司令官と川辺大尉に手錠をかけるよ」

「う、うん」

そう言って私と翔は手錠をかけた。

すると、誰が呼んだのか警察がやってきた。

「特殊戦官の方、お疲れ様です。テロがここで起きたと通報があり、駆けつけた次第であります」

と私たち2人に敬礼をした。

「お疲れ様です。先程、犯人は確保しました。最近騒がれていた犯人もこの2人です」

「憲法11条に反しているので、牢獄で事情聴取はお願いします」

私と翔は警察にそう説明すると、外に出た。

「ねえ、翔。そういえばここの経営者って誰なの?私たち以外に誰もいなかったみたいだけど」

私が聞くと、翔はそんなことも知らないのかというように言った。

「ここは、AIロボットで経営されてるから管理者はいるけど、ここには来ないよ」

「え!告別式会場もAIロボットなの!?」

私は世界の進歩に驚いてしまった。

「りんはもう少し、ニュースを見るべきだね」

「ハハ…」

翔に言われ、私はただただ笑うしかなかった。


こうして、告別式は別の場所で別の日に行われることになった。


***


「ただいま戻りました〜」

私たちが第1部に戻ると南雲さんがいた。

「あれ?南雲さんだけですか〜?」

「そうだよ。もう夜遅いからね〜。それに今日杏子ちゃんは非番だしね〜」

南雲さんがいつものゆったり口調で言った。

確かにあの後、色々聞けれたりして、現在の時刻は22:30。さすがに遅い。

「今日はもういいから、明日報告書書いてね〜。僕も上がるからね〜。おやすみ〜」

そう言って、南雲さんは行ってしまった。

「じゃあ帰るか、りん」

翔が私に言った。

「そうだね、おやすみ」

「おやすみ」




………。



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