この物語の主役はスチームパンク世界観そのもの。

第十五話時点でのレビューです。

練られた人造乙女の設定、歪んだ社会構造、そして決闘遊戯。
キャラクター達のシリアスなドラマ、まるでその場を見たかのような情景描写。
それら全てが丁寧に、緻密に積み上げられ、遊星歯車装置のようにカッチリと噛み合い回転して往きます。
導入こそ狂気の決闘シーンから幕を開けますが、それすらも世界の一部と言えるでしょう。
そして紆余曲折を経て、いよいよ真打ちの登場。

濃密な物語をご所望の向きにピッタリのヘヴィファンタジー。
浮ついた展開や安易なご都合は欠片もありません。
惜しむらくは更新が週一ペースなことぐらいでしょうか……。
週末が待ち遠しい一作です。

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