四谷にある教会に行ってきました
地下鉄から地上に出ると痛いほどの日差しと暑さが出迎えた。
正直、この時点で心臓はバクバクドキドキしている。
地上に上がる前に地下鉄の自販機で、その日何本目かになるか分からない冷たいお茶を胃に流し込む。
そもそもの始まりは大手通販サイトAmazonのAIさんが「こちらの書籍もおすすめです」的なことで紹介されたのが文豪ナビ「遠藤周作」だった。
それまでノーマーク状態だったが、辛うじてシバレン先生とは縁戚だったのは知っていた。
ただし、シバレン先生たちのように「ああ、分かる」ではなく「それ、ちょっと……どうだろう?」と思うことのほうが多かった。
でも、その裏側にあるなにか、例えば、「自分は嘘つきで姑息で卑怯で臆病だ」と告白するのは同じような人間として「すげぇ」と思う。
私だったら、見栄を張ると思う。
そんなことを炎天下の中の脳みそで『冒険の旅』(ドラゴンクエスト3より すぎやまこういち 以下ドラクエ3よりと略称)をフルオーケストラで流す。
だが、最初の難問。
入り口が分からない。
駅前に戻り地図を確認。
――ああ、横にあるのね
地図通りに行くと中に入れた。
建物はすぐに見つかった。
自動ドアで一歩中に入るとエアコンの涼風で汗がひんやりする。
受付で「遠藤周作さんのお墓参りに来たものですが……」
すると、奥の男性が「ああ、はい……えーと、エレベーターで地下に降りて……こうなっていて番号が……で……」と説明してくれた。
さて、エレベーターという現代の旅の扉(ドラクエ界におけるワープ装置)で地下へ向かう。
そこは間接照明でほんのり薄暗い『THE ほこら』か『THE 洞窟』である。
明るいので別段、何もしなくてもいいのに『こんな時にレミーラが使えたらいいのに……』と心の中でつぶやいた。
レミーラとは自分の周囲だけ明るくする松明の様な呪文である。
さあ、こうなると幼少期にドラゴンクエストで育った昭和っ子のドラクエ呪文大好きの血が騒ぐ。
『そもそも、確かに
そんな妄想をしている間に目的の番号についた。
ネスカフェと煙草を供え、祈る。
『私にバイキルト(攻撃力アップの呪文)やスクルト(防御力アップの呪文)はどうすればいいのでしょう? と、いうかダーマ神殿(転職のできる場所であり、経験値のいい魔物も出る場所。たぶん、名前の由来は達磨から)に行って賢者になりたいです』
たぶん、墓前で遠藤先生は思っただろう。
『とりあえず、まず、現実とゲームの区別をつけようか?』
受付で挨拶をして外に出ると、真夏で太陽が勿論ギラギラしている。
その後、師匠と落ち合い、色々話をしていると麻婆豆腐とビールを食べていた師匠が私に言った。
私は春巻きを食べていた。
「隅田さん、さっき言っていた遠藤先生のお墓参り書いてごらん」
「は?」
「遠藤先生は有名だから、見る人多いよ」
私は私で少し悩み、今、書いている。
また、書き直しするかも。
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