序章 私には友達が妄想だった

 子供のころから、私は友達はいなかった。

 仮にいたとしても、少なかった。

 いじめられっ子だった私は自然と休み時間は図書館で避難することになる。

 ただ、本当に本が好きだったかと言えば違うだろう。

 私を変えたのは『ドラゴンクエスト3 そして、伝説へ』(高屋敷 英雄)だ。

 当時、ゲームをしていた人間にとって、この作品は衝撃的だった。

 それから、滝沢馬琴(曲亭馬琴)の『南総里見八犬伝』などを読むようになる。


 ところで、私には悪癖がある。

 改造が大好きなところだ。

 

 もっと根本の話をしよう。

 私は歴史は好きだが、きっかけが変わっている。

 私の父は歴史が嫌いで大人になって「漫画で分かる日本の歴史」みたいな本を定期購読していた。

 が、父は一向に読まず、私だけが読んでいた。

 だから、私にとって歴史=漫画であった(さすがに今は間違うけど)。

 同時期、NHK教育(今のEテレ)で徒然草や枕草子の番組をやっていた。

 これがはっちゃけていた。

 普通にインディージョーンズ張りの曲をかけたりしていた。

 バブル華やかし時代だ。

 その影響で「時代物で分からないものは何でも現代に置き換える」という癖がついた。


 そして、この悪癖が時代劇小説を読むうえで非常に役に立ち、わけわからないことにさせることになる。



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