都庁の思い出プライスレス(寿司屋に行くまで)

 お墓参りを終えて、私は職場や友人のお土産を買いに都庁に向かった。

 都庁はオリンピックに向けて様々な催しをやっている。

 だが、私が何より都庁で好きなのは北・南にある展望室から見た東京の姿だったりする。

 東京メトロ都庁前駅で降り、そのまま都庁へ。

 本来なら平日でも外国人観光客等で賑わっている直通エレベーターに誰もいない。

 私は首を傾げた。

 エレベーターの前には本来、荷物検査をする係員の人もいるが、彼らもいない。

 ただ、一人の職員が立っている。

「あの……」

 私はその職員に聞く前に彼は答えた。(私の記憶の限り。逆だったごめんなさい)

「申し訳ありません。南展望室は来年一月まで工事をしておりまして、北もテロ対策のために使用できません」

 困った。

 お土産が買えない。

 しょうがないので総合案内で「お土産の買える場所はありますか?」と聞いた。

「はい、都庁内にあるセブンイレブンで買えますよ」

「……?」

 とりあえず、案内されたように行くと確かに都庁内にセブンイレブンの看板があってお饅頭(都庁饅頭)と友人へのお菓子が買えた。

 友人へ送る菓子は郵便局(これも都庁内にある)に行き郵送した。(無事に届いたようだ)


 さて、それから三十分ほど過ぎて私は都内某所の飲み屋街に来ていた。

 この街に私が今夜泊まるカプセルホテルがあるのだが、午後五時チェックインなのに後余裕で二時間以上はある。

 とりあえず、交番の人に道を教えてもらい(地図アプリはバッテリーの消費が激しい)ものの三分で到着した。

 自動ドアが勝手に開いた。

 中に入る。

 店員が私を見る。

「あのぉ、五時で予約した隅田ですが……」

「ああ、隅田様ですか?」

「まだ、チェックインの時間ではないのですが荷物だけでもロッカーに置きたいのですが……」

「大丈夫ですよ」

 そう言って店員はカードキーを発行した。

 ロッカーを開け大きな荷物を入れてホテルを一回出た。


 改めて見ると周りは飲み屋であふれていた。

 もっとも、客であるサラリーマンなどがあまりいないからほとんどの店が仕込みをしていた。

 夕食を食べる前に軽く駅前の蕎麦屋で蕎麦を食べた。

 蕎麦の好みは千差万別だと思う。

 だが、この蕎麦屋さんはことごとく私のアウトコースを狙ってくる。

 どうにも腑に落ちず、少し離れた場所にあるスターバックスに行った。

『キャラメルフラペチーノ』を頼もうとしたが店が混んでいたことハイカロリーなのを考慮して本日のコーヒーを頼む。

 相変わらず、私はお子様味覚で無理にブラックコーヒーを飲んだが感想が「苦い」というのもどうだろう?


 コーヒーを飲み終え、私は夕食を食べに外に出た。

 そろそろ、仕事帰りのサラリーマンなどが増えてくる時間だ。

 私は目的地に向かい地図アプリを広げた。

 この日の夕ご飯は決まってきた。

 お寿司である。

 それも、回ってないお寿司屋さんである。


次回予告

 人生初の回ってないお寿司屋さんの話になると思います。

 あとは、カプセルホテルに戻るまでの話です。

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