概要
線なんて、どこにもないのに
夕暮れの帰り道を、母親と息子は歩いていた。息子は社会からずれていた。息子は社会と食い違っていた。息子には線が理解できなかった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「幸せになりなさいよ」という言葉に込められた様々な思い
この一言に込められた言葉の意味が、とても深くて重い……!
この言葉を絞り出すのに、いったいどれほどの言葉が頭の中で浮かんでは消え、どれほどの感情が心の内でせめぎ合ったことでしょうか。
そこに託した言葉の意味は、祈りか、それとも諦めか。
どちらでもあるかのように思えますし、またそれとはもっと違うもののようでもあります。
いずれにせよ、この子供が将来待ち受けるものは、一般の子供のそれとは異なった、いくつもの困難があるものだと思います。
その困難を乗り越え、「幸せ」を掴み取ってもらいたいものです。
短編ではありつつも、読み込むごとに様々な解釈が生まれ、読み手によっても感じるものが変わってくる、と…続きを読む