幸せとは

私には子供はいないけど、我が子の手をとる苦しみをありあり感じました。

なによりもこの話を胸に響くものにしているのは、線の見えない子がすごく聡明な感性を持っていることです。彼が話す考えは自身の中で整理されていて自由で楽しいものです。

作中では「世界に裏切られるなど想像もしない、無防備な塊」と表現されていたけどもしかしたら線を踏み越え車や誰かの怒りに轢かれても、この子はその時々で幸せを見つけるのかもしれないとさえ思いました。ただそれは母親の願う幸せではなくて、まして社会が受け入れる幸せでもない。そこにこの作品が訴えかける受難を感じました。

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