概要
人々が行き交う地下街の、あちこちにあるチェーン店の一つの、店員と客。
それ以上でもそれ以下でもない彼女と私の、ただすれ違っただけの人生のお話。
※過去作を改稿したものです。
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- ★★★ Excellent!!!『七十五点』の人が、一番心地よい人だったりするのかも知れません
ファストフード店のカウンターで「七十五点」の業務をこなす従業員のおおぬきさんと、なぜか彼女に惹かれてふらりとコーヒーを飲みに訪れる「私」の、ふれあいとも言えないほどの、小さな日常を描いています。どんな人かも知らない、ましてや腹を割って話すなんて間柄には絶対にならない、従業員と客という距離感が保たれたまま、それでも私は、日々のなかで小さな波が立つとき、ふいに彼女に会いたくなるのです。七十五点、この微妙な点数が、彼女と私の一番ここちよい距離とも取れました。何もかも吐露し合うだけが本当の人間関係じゃなく、さりげなくいつもそこに居る安心感というのでしょうか。全部もたせかけるのではなく、でもどこか拠り…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!変わらない日常と、変わらない関係と。
日常のテンポやリズムは、誰にでも無意識の内にある物だと思う。主人公にとって、コーヒーを飲みたくなることが、それだった。ある日、レジに並んでいると、レジの係りの女性アルバイトに、怒鳴る男性がいた。しかしそのアルバイトの女性は、完璧にその場をやり過ごすのだった。主人公はそのアルバイト女性の、接客にささやかに感心しする。彼女のネームプレートには「おおぬき」とあった。
しかし、それ以上の関係を築くことはしない。あくまでも、「おおぬきさん」はレジ係のアルバイト女性で、主人公は客の一人。例え「おおぬきさん」がその店を辞めてしまっても、主人公はこれからも、店にコーヒーを飲みに行くだろう。
主人公は店…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これ、あるあるちゃう?
昔、勤め先の裏にあったカフェに、めちゃめちゃ美人の店員さんがいたのを思い出しましたね……(お話と全く関係ない)
特に会話もないただの客と店員という関係性って何だか不思議ですよね。別に世間話すらしないドライな関係。でも、よくいくお店なんでお互い顔がわかってる。みたいな。
ぼくも昔よくお世話になってたお弁当屋さんの、笑顔が素敵な恰幅のいいおばちゃんが「ねもと」さんであったこと未だに覚えてますからね。
このお話はお客さん目線のお話だけど、店員さん側も同じようなことを思ってたりしますよね。「ごちそうさま」言ってくれるOLさんまた来た、的な。店員さんはお客さんの名前がわからないんで、勝手に名前つけ…続きを読む