変わらない日常と、変わらない関係と。

 日常のテンポやリズムは、誰にでも無意識の内にある物だと思う。主人公にとって、コーヒーを飲みたくなることが、それだった。ある日、レジに並んでいると、レジの係りの女性アルバイトに、怒鳴る男性がいた。しかしそのアルバイトの女性は、完璧にその場をやり過ごすのだった。主人公はそのアルバイト女性の、接客にささやかに感心しする。彼女のネームプレートには「おおぬき」とあった。
 しかし、それ以上の関係を築くことはしない。あくまでも、「おおぬきさん」はレジ係のアルバイト女性で、主人公は客の一人。例え「おおぬきさん」がその店を辞めてしまっても、主人公はこれからも、店にコーヒーを飲みに行くだろう。
 主人公は店を辞めた「おおぬきさん」と、すれ違ったことがある。その時、主人公は……。

 小さな出来事しか起きないのに、これだけの読み応えは、作者様ならでわ。
 日常系小説の決定版的作品だ。
 
 是非、御一読下さい。

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