常に未来が見たくなる物語

 少年というのも、少女というのも年若い幼なじみのファンタジーです。

 平和な時代になり、武器しか作る必要のない鍛冶屋が疎まれるようになった世界で、その鍛冶屋の息子である主人公と、その主人公が属する帝国の皇女がヒロイン。平易な文章は、この二人の純粋さとピタリと合致し、物語に引き込んでくれます。

 だけど物語の展開は、ただ純粋な、キラキラした二人の物語ではないのですが、それが星が閃く夜のように感じられるのも、想像力を刺激される文章があってこそだと感じました。

 冒頭を飾った場面のような美しい夜空を印象づけられた、幻想的という言葉の通りのファンタジーです。

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