不思議な読後感

宇宙船に乗って、美術品を運ぶ主人公と学芸員。二人の齟齬が決定的になるかと思えばそうでもなく、スキマは埋まることなく埋まっていくように見える。

職業意識を優先させるかと思えばひとり旅が寂しくて主人公を雇った私的な理由を述べる学芸員、彼のなんともつかみどころのなさがこの作品の魅力かもしれない。

主人公はこれより、何度も学芸員と仕事を共にする気もするし、二度と交わらないような予感もする。

不思議な温度感と読後感のある短編です。

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