リアナシリーズ最終章。とうとうリアナとデイ、そしてフィルの三角関係に決着が。それぞれがたどり着いた答えは、これまでの紆余曲折があってこそのものだと思います。
少女だったリアナが、男前なデイとフィルに挟まれる形で女王になり大人になり、そして、成熟した女性になり母になる。
三人の恋物語を主軸としながら、昨今のありがちなベタベタ甘々一辺倒な話ではなく、政争あり、陰謀あり、そしてそこで生きる人の思いがあり、どっしりと物語の世界の骨格が伝わる話です。
脇を固める登場人物も多種多様で、これらをすべて書き分け、かつそれぞれにそれぞれの物語があります。こうした人たちの話と思いが複雑に絡まり合い、主人公とともに物語が進んで行きます。
これで完結ではありますが、竜の国が終わったわけではなく、三人がようやくそれぞれの答えに辿り着いたというだけ。
主人公をはじめとして、物語を彩るすべての人にしばしのお別れを。だって、竜の国の物語は、まだまだ続いているのですから。
存分に楽しませてもらいましたヽ(o´3`o)ノ
ぜひ、シリーズ1から読んでみてください!
気が付けば大長編となった本作も、ついに完結。
デイミオンではなくフィルを伴侶として子どもが出来てようやく一つのところに落ち着くかと思いきや、中々そうはいかないのが人の業と欲。
盗難事件に天災、そして元夫の未練と執着。
夫との関係はきわめて良好なれども、状況により、二人の男の間を行ったり来たり、中々にせわしない。
「頼むからもうちょっと大人しくしていて欲しい」というのが正直なところで、やきもきさせられてしまう。
この昼ドラばりに愛憎入り混じった展開がドロドロせずに楽しめるのは構成の妙というもので、そこに互いのすれ違いや勘違い、大人げない諍いなどにより喜劇(ラブコメ)的に肩の力を抜いて楽しむことが出来ます。
女として、妻として、王妃として、彼女が最後の最後に導き出す、自分の身の置き場とは――?
ここまで読んだ以上は是非を併せ呑んで最後まで見届けて欲しい完結作です。
西フロイデ作「リアナ1 王冠の竜騎手と心臓のない英雄」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885843307)から始まった壮大な物語もこの「リアナ7 千年の春」でついに完結です。
1から追いかけてきた身としては大変喜ばしく、そして大変寂しい!!
それだけ思い入れのあるシリーズ作品です。
リアナ1のレビュー一番乗りだったこの伊乙式、完結には絶対レビュー書こうと決めていましたので書きます!
なんなら1~7まで含めて書きます!
リアナ1~3は王権にまつわる政治劇や人間ドラマや戦争や背景にある大きな謎を解明していく大スペクタクルで、手に汗握る展開が山盛りです。
そしてリアナという主人公の成長と、彼女にとって大切な存在となるフィルバート、デイミオンとの恋愛模様、さらにめくるめく三角関係。
お気に入りは3の雪山のくだりと、最終決戦の空戦です。
続くリアナ4~7までは、波乱に満ちた1~3を経てたくましくなったリアナとフィル、デイとの三角関係が更に濃く描かれています。
リアナのもとに訪れる試練、事件、難問の数々は読みごたえがあり、どうなるのと毎回ハラハラしました。
そして三人の三角関係はバランスを変え品を変え、これも、一体どうなるの!?と先が読めない。
私はデイ派なので、デイにまつわるエピソードでは心の中で応援したり、共感したり…それがまた楽しかったです。
デイ、フィルともにキャラクターの魅力が素晴らしく、きっとあなたもどちらかの派閥に入ることでしょう!
魅力的なキャラクターはほかにもたくさん。
7で存分に活躍したロールや、ハダルクとグウィナ夫妻、破天荒アーシャ姫、よき理解者エピファニー、ナイルとルーイとアイーダの印象的な三人…
あげるとキリがない、というほどに個性豊かな面々がそろっています。随分とお気に入りのキャラクターができました。
これだけのキャラクターを生み出し、こんなにも壮大かつ切なくて熱くてほっこりする物語を書ける西フロイデ卿の筆力には毎回唸らされます。
ていうかもうリアナを読んだことのない人はリアナ1へいけ!
続けて読んでこのレビューにたどり着け!
そう叫ばずにはいられない、大好きな作品です。
完結、本当にお疲れさまでした。
リアナシリーズへのレビューは幾つか書いてきたので、ことさら付け加えることはないけれど、やはりこれだけの長大なシリーズが終わるとなると自分でも思ってなかった、疼痛のような欠落感があります。
普通に寂しいのだと思う。キャラたちが血肉ある存在としか見えなくなってしまうほど、この小説の温度に馴染んでしまっていた。
終わる終わる詐欺と作者が述べていたように、この小説は終わらないとタカをくくっていたかも。でもやっぱり終わるものは終わるんだね。
メインの三人の歩んだ軌跡は、長く遠く、険しく入り組んでおり、そんでもって滅法美しくもあります。改めて言うまでもないけれど、キャラ造形も構成も会話も描写もみーんなハイレベルで見惚れてしまう。
もっともっと多くの人と分かち合いたい作品です。人海戦術で細かな設定についてみんなで考察したりしたいなぁ。個人的にもとても大切な作品になりました。