女王の物語、ついに完結。

気が付けば大長編となった本作も、ついに完結。
デイミオンではなくフィルを伴侶として子どもが出来てようやく一つのところに落ち着くかと思いきや、中々そうはいかないのが人の業と欲。

盗難事件に天災、そして元夫の未練と執着。
夫との関係はきわめて良好なれども、状況により、二人の男の間を行ったり来たり、中々にせわしない。
「頼むからもうちょっと大人しくしていて欲しい」というのが正直なところで、やきもきさせられてしまう。

この昼ドラばりに愛憎入り混じった展開がドロドロせずに楽しめるのは構成の妙というもので、そこに互いのすれ違いや勘違い、大人げない諍いなどにより喜劇(ラブコメ)的に肩の力を抜いて楽しむことが出来ます。

女として、妻として、王妃として、彼女が最後の最後に導き出す、自分の身の置き場とは――?
ここまで読んだ以上は是非を併せ呑んで最後まで見届けて欲しい完結作です。

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