2/23 朝

リップグロスを塗る。

自らに細工する。

浮かれた気分を唾棄する目を、部屋の隅から感じている。

工夫すればする程、偽物になる。

偽物になる程、本物になる。

笑う。鏡の前で。

ふいに消え去りたくなる。


子供の頃にやった遊びを思い出しては、

味のしないガムをいつまでも噛んでいるような


黒い眼の奥に、

ずっと自分以外の何かがいるような


気がしている。

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