湿り
失くしものは、井戸の底に落として
ぶくぶくと泡立った
いや、泡は私だ
私自身だった
初めは誰だって無知でいられる
それが何の役にも立たないとしても
黴臭い、煙のような暗闇で
閉じ込められた小さな光さえも吸い込んで
てらてら、ぬらり、ひゅうひゅう、と犇めく
それが私自身だった
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