このまま、滑り落ちるのだろうか

確かに僕は猫を殴った。

何度、首の後ろを引っ掴んでも

床に物を落とすのを止めないから。

発情期の声のせいでもあった。


手近にあった枕で殴りつけたのだ。

その後だった。冷静になれたのは。

猫は少しだけ静かになった。



僕は僕の罪の形を見つめた。

暴力が宿った手のひらには、何か腥いものがこびり付いている気さえした。

黒く冷たい心の底の、脈動する光の影。

狂うという事は思ったより簡単で、それら全てを見つめ返せば良いだけだ。


相姦する、罪と、それ以外の全て。


まだ、苛々する

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