生命・虹彩

猩々蝿が氷を運んでくる。

私の身に次々と

死が運ばれてくる。

ゆっくり、ゆっくり、目を瞑ってゆらゆらと、

言葉もなく、ミルクの中を進むと、

いずれ暗闇が戻り、埃の匂いの中で、

自らが手足を持つ生物だった事を認識し、

心臓は止まる事なく、脈打つ目蓋の裏の毛細血管を幻視しながら、

灰色の世界で、

生き永らえていた。

泥だらけの鳥の羽根に、見覚えはなかった。

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