繰り返さない
私の手はすぐに黒くなってしまう。
学校に行っている途中に何か記憶が無い所があって、気付いたら学校の前に立ち尽くしている。その時にはもう両手に墨のような物がべとべとについているのだ。
私は低い位置についた蛇口を捻って手を洗う。静まり返った廊下。どうして、誰も学校にいないのだろう?
一輪車の練習をしたいのに、何故か有るはずの場所に行けない。
教室の戸窓から煌々と光が漏れている。
私は努めて慎重にそこへ向かう。取り逃がしてはいけないからだ。
振り返ると下に降りる階段。真っ暗で、先が見えない。
職員室の奥の部屋。あそこには、一体何が有るのだろう?
ボイラー室はガソリンの匂い。トンテンカンと階段を降りると、ボロボロの皮のソファ。
理科室、音楽室、視聴覚室、図書室、体育館。
全部もぬけの殻だ。
友達はどこにいったんだろう?先生はどこにいったんだろう?給食当番は誰?日直は誰?
今日は何曜日だっけ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます