生きること、『食べる』ということについて、もう一度考えさせてくれる作品です。私たちがスーパーで手にする、加工された食品たち、それらがどんな命を持っていたのか、現代の人達が忘れてしまった命達に気が付かせてくれます。
なにかを傷つけた自分から目を逸らす残酷な人々の中で、少女はちゃんと傷ついて泣いていました。それが無意識であろうと意識的であろうと、何らかの想いを抱くことに意味があるのだと、丁寧な描写で思い知らされます。どうしてこんなにも切なく、そして最後には救われる物語が書けるのか。僕には分かりません。
同年代にこんなに素晴らしい小説を書く方がいる事に感激。一文一文が生き生きと脈打っています。その熱を確かに感じられる。多くを語ると嘘になってしまいそうなので、それだけにしておきます。とにかく、沢山の方に読んで貰いたいです。
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