名取 雨霧

短編小説は構成が命とはよく言われますが、『初デート前レター』はものの数スクロールで「尖った構成」の作品であることが見て取れました。 当事者は2人──語り部は1人で物語は二転三転し…続きを読む

変に複雑な設定でなく、薬の性質が簡単だったためすんなりと理解できました。それにまつわる問題も、想像しうるものですね。後半の急展開には驚きましたが、その場面あってこそまた最初へ繋がっ…続きを読む

好きなのに別れる？ 好きすぎて別れる？ そんな疑問を持ったあなたは迷わずこの作品を読みましょう。愛情にはいろいろな形があるということが、きっと軽妙な筆致でそこに描かれているはずで…続きを読む

SFが好きな人はすらすら、疎い人も置いてかれずに読み進められるとても読み易い文章で語られています。すらすら画面をスライドさせていくうちに状況がどんどん進み、やがて序盤のプロローグに…続きを読む

和風の文体が馴染まないと思う方も騙されたと思って読んでみて下さい。きっと描写の鮮やかさに度肝を抜かれることでしょう。イカヅチ達の化物との戦闘シーンは今でも脳内で再生されます。 決…続きを読む

主人公の持つ異能力が作り出す切ないシチュエーションが我々を物語に引き込み、主人公の苦悩を体感させてくれます。 構成もさることながら、綺麗に纏まっている上にSF的な工夫も感じられて…続きを読む

あえて最後の最後まで説明せず、手がかりだけをそれとなく残していく巧みな手法に息を飲みました。彼が本当の意味で前を向ける日々が、待ち遠しく感じられます。

1月に初めて読んだ時、震えが止まりませんでした。文章はとても引き込まれましたが、二人の不気味な日常程度に味わっていたストーリーが突如あらゆる意味を持ち始め、夢中で物語に潜り…続きを読む

なにかを傷つけた自分から目を逸らす残酷な人々の中で、少女はちゃんと傷ついて泣いていました。それが無意識であろうと意識的であろうと、何らかの想いを抱くことに意味があるのだと、丁寧な描…続きを読む

レビュータイトルはこの短編から引用させて頂いたフレーズですが、僕の感想にも通ずるものがあります。 恋とはどんなものか？ 話したいのに話しかけられない。視線が自然と相手の方へ向い…続きを読む

哲学的な内容からふと誰もが考えてしまう内容まで幅広く議論されていて、議論の末醸し出される仄かな不思議さに圧倒されるような作品でした。

タイトルを見て勝手に思い描いていた評論チックなイメージから一転、ページを開くとそこにはちゃんとドラマがありました。 この物語は僕たちの考えを否定はしません。けれども、世間でありふ…続きを読む

誰かの幸せを願って、たとえ自分がどんな辛い目にあったとしても、それをたった一人で抱えていこう。 そのどうしようもなく真っ直ぐで、けれど報われそうにない気持ちが、読者を切なくさせるの…続きを読む