「ストンと、胸のつっかえが落ちる音がした。」

レビュータイトルはこの短編から引用させて頂いたフレーズですが、僕の感想にも通ずるものがあります。

恋とはどんなものか?

話したいのに話しかけられない。視線が自然と相手の方へ向いてしまう、などなど。「かすみかくもか」を通して、恋愛感情が理屈では捉えきれない行動を多く生み出してしまうものだと思い知らされます。

......そして最後のシーン。ここで恋のもつもどかしくて、同時に素敵な本質が完璧に僕の腑に落ちました。

上述の問いの答えを「体感」するなら、真っ先にこの短編をお薦めしたいと思います。