感動する小説

作者 星 太一

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★★ Very Good!!

人を感動させたり話の転換点を作るために、人が死ぬ設定を安易に使っている小説がとても多いと思います。それ以外の方法を誰も考えなくなってしまっては、良い小説がなくなるようで寂しいです。この小説はありふれた『感動』をよしとする風潮に一石を投じています。
本当の感動とは何か、考えさせられました。

そして、この話でも人が死んでいます……

Good!

 「感動するとはどういうことか」というのはいくらでも答えのある議題ですが、「死を売りにする側」から見つめるという発想を、しかも高校生でするというには素直に驚きました。
 また、この小説自身が題名の「感動する小説」なのかと思い読み始めたのですが、読み進めていくうちに認識のズレに気付き、このズレから自分は「死を売られる側」だったのだと痛感させられとても面白かったです。

 少し残念だったのは、
一文一文が短く、主人公のひととなりがあまり見えてこなかったこと(淡泊なひととなりを意図してのことでしたら、娘さんのシーンではそれを崩すことでよりひととなりが見えたのではないでしょうか)、
娘さんの幻が現れるシーンに生々しい「死」や「後悔」を感じることができなかったこと、
またメディアの反応にリアリティがなかったことです。

 ファンタジーをお書きになるとのことですが、星さんの青春小説が読みたいと思いました。受験頑張ってください。

★★★ Excellent!!!

タイトルを見て勝手に思い描いていた評論チックなイメージから一転、ページを開くとそこにはちゃんとドラマがありました。

この物語は僕たちの考えを否定はしません。けれども、世間でありふれている『感動』に対し、たしかな一矢報いるような物語でした。悲しみだけが感動を生むのではないと。

物語を読み終えて、こんな風に自然と思いを巡らしてしまうこともまた、感動の一つの形ではないでしょうか。