バス停は誰のためにも開かれており、様々な人がいる。公共空間で突然話しかけられる他人をうっとおしく思う人もいるだろう。だが、そこは「交流してもよい空間」だ。それも病院なんかよりはるかに健康的に。交流こそが社会の基礎基本だ。それは飴を渡す、たったそれだけで始まる。
主人公とおばちゃんは、朝のバス停であって、飴を貰って、少しお話しする、ただそれだけの関係だと言ってしまえばそうですが、そこから物語が広がっていく様子がとても素晴らしかったです。ちょっとうっとおしく思えたおばちゃんの存在が、段々と主人公の日常に馴染んでいくようで、私もおばちゃんの登場を楽しみにしながら読んでいました。身近な人との繋がりを、もう一度考えたくなる一作です。
雨の日のバスって混雑して嫌ですよね。この話はそんな憂鬱な気分のときに読むべき作品なのかもしれません。主人公と陽気なおばちゃんとのやりとりは微笑ましく、飴の種類の豊富さもあいまって美しい世界観に仕上がっています。通学・通勤前に読めば、日常の何気ない風景が急にいいものに見えて元気をもらえます!
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