この騎士団、格好良すぎる!等身大で描かれる、ある中学生達の物語。

あらすじを読んだ時点で、確信致しました。絶対に面白いと。
そして読みました。予感の通りでした。

RPGみたく、姫と、戦士と、武闘家と、魔法使いと、盗賊。
それぞれのキャラクターが、本当に個性的なのです。
それもただテンプレをなぞっただけのような「個性」ではなくて、その人がその人だとしっかり確立してある、本物の個性なのです。見ていて飽きなくて、ずっとこの人達の姿を見ていたいなと思う程。
そんな姫と騎士団が織りなす物語。面白くないわけがありません。


でもこの騎士団。
本物の騎士団にあるような、いわゆる騎士道精神みたいなものが備わった「THE・光の人」みたいなのはおりません。皆、どこかしらアウトローです。

風俗嬢の息子、ヤ○ザの息子、中国人、キラキラネーム。
団員は、社会や世間が言う「はぐれ者」ばかり。

でも…はぐれ者?上等だ!
だからこそ、姫と騎士団が巡り会えたし、姫を守る騎士団が結成されたのだと思います。それにはみだし者じゃなきゃ、この格好良さは表せられないでしょう!

騎士団は言わずもがな、月の姫も負けずに良い味を出してます…!
姫がいなかったら、何一つ始まらなかった。生まれなかった。
個人的な意見になりますが、姫大好きです。

中二病?上等だ!
だって、だって、こんなにも格好いいのだから!!!
痺れる程格好いいんです。皆。
青臭いとか泥臭いとか、大人の目に映るかもしれません。
でも、本当に格好いい。
子どもの純粋さと、大人の狡猾さ。中間にいるからこそ、両方を併せ持っている中学生達。格好いい。もう、馬鹿みたいに格好いいしか言えなくなります。

小学生だと少し違う、高校生でも、やっぱり違う。
この小説は、中学生だからこそより栄えて、輝いたのではないかと思います。
子どもと大人の中間地点である中学生。その「中学生でなければならない」魅力を、この小説は描いています。

アウトローとはいえ、やはり中学生。思春期なんていう輩が存在します。
皆それぞれ何かしらを抱えている。けれどそれを乗り越え、成長する。
これが等身大で描かれているので、伝わってくるし刺さるのですよ。


で、です。あらすじを読んだ時点で、なんとなく予想していました。きっとこれは、最後泣くのだろうなと。実際にそうでした。
ラスト。構えていたのに、涙が滲みました。胸がじんと染み、心臓が震えました。
ここまで皆の物語を追っていただけに、尚更でした。

ああ続編が読みたい。前日談でもいいし後日談でもいい、また会いたい。

見ていて全然飽きない姫と騎士団。アウトギリギリのラインを責めちゃうことに対するハラハラさ。一人一人が成長していく熱さ。絆。感動。

これだけ言っておきます。読みましょう。
読めば私の言いたいことが伝わるはずです。
さあ、読みましょう!読まなければ損です!これは本当に損します!

一度読めば、どっぷり浸かります。
読む際は、その点だけに、ご注意下さい。

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