希望の町のエクソダス。

「この国には何でもある。だが、『希望』だけがない。」
って昔読んだ小説にあった。

僕たちはいまいる場所で、躍起になっている。希望がないからだ。
では希望とはなんだろう。

三年後の自分を夢見る力じゃないだろうか。
将来の夢を「高校生」と書くことじゃないだろうか。
譲れないものを発見したり、一緒に走る仲間がいるときに、出現するのではないだろうか。
好きな人ができたとき、好きな人になにかをしようと動いたときに。
希望と期待は違う。
でも、期待しよう。
叶う叶わないは関係ない。
希望はあるってことをだ。
ぐんと世界が広がる瞬間を、僕たちは求めている。

高校生では遅すぎる。小学生にはちと早い。早熟で幼い、だからこそ無敵な中学三年生たち。

希望が出現する瞬間を描く。小説の役割のひとつだと思う。

その他のおすすめレビュー

キタハラさんの他のおすすめレビュー207