出て行くか、払うか──家賃保証会社の話

コメント欄も含めてとても面白いです。
家賃保証会社の事は、保証人がいない時に契約するもの、くらいの知識しかなかったので、とても興味深いです。

家賃とは、家＝命の存続に欠かさない施設。

その家賃が払えない人たちとのやりとりに、作者さんの愛を感じます。

リアルと書くと、とてもリアルなフィクションと思われるかもしれないので、最初に訂正。この小説は実際にあったことを作者様が書いてます。

何がリアルかと言うと、所謂家賃が払えなかった人々の日常生活の状況が細かく書いてあります。

その中でも、言い方は大変失礼ですが自分は絶対にこうはなりたくないと思える方を紹介されています。

生活保護を受給した方が、何倍も幸せだろうにと思う人達です。

でも、それが出来ない人が当たり前に沢山いると言う事実がよくわかります。
怖いもの見たさで、是非読んでみて欲しい作品。
知らないだけで、結構身近にいるものです。

私は昔からカルピスを濃く作ってしまう、ほとんど原液に近い濃さで。市販のカルピスウォーターは薄くて味気無い。

それと同じだ、ここにはエッセイとして記された家賃滞納者の剥き出しの現実と、文章から伝わって来るどす黒い感情がある。

それは、出版社や編集者によって（おそらくは）希釈されていない原液。
だからこそ、読み応えがあって面白い。

貴方の日常のすぐ隣に潜む、平々凡々たる暗闇の話です。やりきれなくて、どうしようもなく面白い！
さらに、この話をどう感じるかで、読む貴方自身の「お花畑度」も試される、のかも知れませんよ。
また人生の勉強にもなります。私は自分住むマンション自治会の理事に加わっていますが、問題行動をする居住者への対処に光明を得ました。
そして、私の住むマンションもまた「大島てる」に載っているのです。ひとつ上の階が。