第3章 人の絆はすぐに壊れるもの

第11話 3階には風呂と人形

...将来君、綿菓子ちゃん、元杉君の三人の死から1日が経った。

15人中、もう6人も死んでしまっている。もう、誰も人を殺さないことを願う。

「頼むからもう誰も殺さないでくれ...。」

そんな事を思っていたらゴリからのアナウンスが流れた。

「えーオマエラ。朝の7時になりました。食堂に移動しましょう。」

もう7時なのか。よし、移動しよう。

食堂に移動すると吉山君と番山君、田中くんの3人しか居なかった。

「主も来たか...。」

「まだこれしかいないの?」

「仕方ないだろ、昨日で3人も死んだんだ。女子は皆駄目で斎藤も駄目らしい。さっき部屋に行ってきた。」

「そりゃあ斎藤も悲しむわ...仲のいいやつみんな死んじまったんだからよ。あいつにとってもショックは大きかろう。」

「斎藤君...身体壊さなきゃいいけど。」

そういえば加治龍君も居ない...。

そう思っていると加治龍君が食堂にやってきた。

「おい、お前ら、3階に行けるようになってるの気づいたか...?」

「遅く来て最初にいうことはそれかァァァ!!まったく!」

「わ、悪かった。とりあえず、動けるやつは皆3階に来て欲しいんだ。大きな部屋が二つしかない。」

大きな部屋が二つ...。

「みんなは先いってて、僕はほかの皆が動けるか部屋に行ってみるよ。」

「分かった。」

そう言って4人は階段の方へと行った。僕は斎藤君、前園さんの部屋に行ったが2人は駄目だった。

後は恋水さんとサキラさんか。恋水さんの部屋に着き、ノックをしようとしたら部屋のドアが開いた。

「わぁ!き、北谷くん?ど、どうした?」

「あ、恋水さん、おはよう。実はね、3階に行けるようになったから、皆を呼びに来たんだ。」

「そっか。まだ部屋に行ってないのは誰かな?」

「えっと、後はサキラさんだけ。斎藤君と前園さんは今日は部屋から出ないらしい、それ以外はいるよ。」

「分かった。サキラさんも部屋から出てこないと思うわ。」

「えっ?どうして?」

「あ、えっとね、サキラさんね、昨日はあれが原因で熱が上がっちゃったのよ。だから治ったら自分で出るからそれまで来ないでって昨日言われたの。」

「そっか、じゃあ僕達も三階に行こうか。」

恋水さんは首を動かし僕についてきた。3階に着くまでは僕達は無言だった。

3階に着くと、皆は部屋のドアの前に居た。どうやら僕達を待っていたようだ。

「ごめん、恋水さん以外みんな部屋から出てこなかったよ。」

「じゃあ仕方ないな。じゃあ6人で中を調べよう。」

吉山君が言うと、みんなは賛成し、部屋に入った。

...三階の右側にあった部屋は気味の悪い16個の人形が置いてあった。その内、6個の人形は壊れていた。

壊れてる側と頃れてない側で分かれているようだ。壊れている側の人形は一番左から、ナイフが刺さっていて壊れてる、二個目はバラバラにされている。三個目もバラバラになっている。四個目はダンベルが置いてあり、それでうつ伏せになっており、壊れていた。五個目は首にナイフが刺さっている。6個目はバラバラになっている。

「気味の悪い人形だぜ...。」

加治龍君が行った。

「ゴリの趣味か何かか?」

この部屋には特に無さそうだから、この部屋は後にした。僕は部屋を出る前にもう1度、人形達を見た。その瞬間、金髪の人形が一瞬にして、壊れてる側に置かれていた。

僕はこの時は余り気にしなかった。

2個目の部屋は浴室になっていた。

「こんな所に風呂...?」

「...しかも、お湯も普通に沸いてるわ。」

「気休めに後で男女交代でお風呂に入ろう!」

番山君が大きな声で言った。

「女子側はパスでいいよ。サキラさんと前園さんは多分出てこないと思うし...私1人はちょっと怖いから...。」

「そっか、じゃあ男だけで入るか。」

「すまんが我もパスだ。人と風呂はごめんなのでな。」

そう言って田中くんは浴室を出た。

「悪いが俺もパスだ。理由は田中と同じだ。」

「じゃあワシら3人で入るかのう...。」

番山君はちょっと寂しそうに言った。こうして僕と番山君、加治龍君の3人でお風呂に入った。

お湯は意外に暖かく、心がとても落ち着いた。



死亡者

・山口達也

・岡部惣之助

・参大魔人

・将来咳之助

・綿菓子幸子

・元杉冰

・サキラ

7名

生存者

・北谷満

・斎藤犯

・加治龍巻流

・田中八木充

・吉山吉郎

・番山番長

・前園彩

・恋水美香

8名


11巻終了

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