第3話 一階の探索
恋水さんの発言の後にアナウンスが流れた。
「えーオマエラ!午後6時になりました、皆で、晩御飯の準備をしましょう」
プチッと言う音でアナウンスが聞こえなくなった。
「こういうどうでもいいこともアナウンスで流すのかよ。」
山口君が言うと。
「まぁそれほど奴はこのコロシアイというのを楽しんでいるのが分かるぞ。」
田中君も続いて答えた。
「とりあえずアナウンスで流れたとおりもう6時だし、とりあえずご飯作らない?みんなお腹すいてるよね?」
前園さんが聞くと皆はうん。と答えた。
「じゃあ女子グループで作るから男子グループはお皿とかの準備をしてくれる?」
「あぁ、任せとけ。」
参大君が答えた。
僕は皆を見てると少しおかしいと思った...。どうしてみんなはそんなに気楽で居られるんだろうと。
僕達は拉致され殺し合いという謎のゲームをやらされているのに。
でもこの時の僕の考えはまだ浅く深く考えることは無かった...
前園さん達が作った晩御飯を食べたみんなは明日はどうするのかを考えていた。
すると吉山君が一つの提案を出した。
「ならこの建物を探索するのはどうだ?まだこの建物がどういうものか分からないしやる事と言ったらピッタリじゃねぇか?」
「それもそうだな」
吉山君の言葉に将来君が答えた。
「じゃあ明日はこの建物の検索ということでけってーい!」
明るい声で綿菓子ちゃんが言った。
話し合いが終わると皆、個人の部屋に戻って行ったので自分も部屋に戻って休む事にした。
みんなの部屋を通る途中、ドアに一人ひとりの顔プレートが貼られていることが分かった。これならどこが誰の部屋か分かるなと僕は思い、自分の部屋に戻った。
ベットで横になるとアナウンスが流れた。
「えーオマエラ!午後10時になりました。夜です。良い子は早く寝て明日に備えましょう。ではおやすみなさい。」
まだ10時なのに異様に眠かったので僕は目を閉じて眠った...
「えーオマエラ!午前7時になりました。朝です。早く起きて食堂に行き、ご飯を食べ行動しましょう。」
このアナウンスで僕は目を覚めた。
まだ眠かったがみんなはきっともう食堂に居ると思ったので部屋の洗面所で顔を洗い自分の部屋を出て、食堂に向かった...。
食堂に入ると大半が集まっていた。僕が入ると番山君が挨拶してくれた。
「おー!満!おはようさんじゃ!はよ、こっち来て座らんかい!」
ニコニコした顔で僕を手招きした。言われた通り番山君がいる隣の椅子に座った。
「まだこれしかいないの?」
僕が番山君に話しかけると不思議そうな顔で言われた。
「そりゃあまだアナウンスが流れて5分しか経ってないからのぉ。特に女子は誰も来ておらんし、確かお主の部屋はこの食堂から一番近かったし、それで早かったんじゃろう。」
「あれ、でも番山君の部屋って確かここから一番遠いよね?なのに僕が来た6時50分の頃には居たって事は何時からいたの?」
共に居た元杉君がいうと。
「吾輩は大体9時に寝て6時に起きるのでな、吾輩が来た時は6時半だったぞ。」
6時半!?番山君は来るのが早くて偉いと思った。
そんな感じの雑談で時間が過ぎ皆が揃い午後になった。
「よし、全員が揃ったわけだ、2人1組でペアを組みこの建物を探索だ。」
吉山君が言うと皆が同意した。
「確か電子手帳に一階の地図みたいなのがあった気がするぞ。」
齋藤君が言うと他のみんなも電子手帳を取り出し、確認した。
「じゃあ俺と前園、山口、将来の4人で北口方面を調べてくる。」
と岡部君が言うと。
「なら、私と吉山君と番山君とサキラさんは西側方面を見てくるわ。」
恋水さんが言うと。
「じゃあ余った僕、齋藤君、元杉君、加治龍君、参大君、田中君、綿菓子ちゃんの7人で東側方面に行くね。」
僕が言った。
じゃあ午後の6時アナウンスが流れたらまた食堂に集合だ。
みんなで「了解!」と言って皆、自分の探索場所に移動した。
東側に行った僕達はこの辺の部屋を見ることにした。
ちなみに僕は1人で。。。
僕はみんなと違う場所を探すと二つの部屋があった。
「視聴室とCD保存置き場室か結構珍しい部屋だな。」
そう言って僕は視聴室から探索した。
視聴室には16個の椅子と机があり、黒板には大きなスクリーンが貼られていた、後コードなどが沢山あり、ぐちゃぐちゃに置いてあり、埃も結構溜まっていた、多分しばらく掃除されていなかったんだと思う。
視聴室は特にめぼしい物は無かったのでCD保存置き場室に行こうとした。だが、この部屋は鍵がかかっており、入れなかったので。仕方なかったのでみんなと別れた曲がり角に戻ることにした。
戻るともうほかの皆がおり、もう探索済みだった。そこで何が合ったかをお互い聞き出した。
「北谷の調べた方には何があった?」
元杉君に言われると僕は自分が見た部屋を答えた。
「僕が見た部屋は視聴室、CD保存置き場室の二つだけでCD置き場は鍵がかかっていて視聴室には特にめぼしい物は無かったよ。」
「そっか、じゃあ僕と加治龍と幸子ちゃんと見た所を説明するね。僕達が行ったところは一つの部屋しか無かったよ。確か普通の教室、1の1って書いてあったよ。」
「多分それは1年1組の教室だと思うよ!」
元杉君の後に綿菓子ちゃんが言った。
「いや、誰から見ても普通そうだと思うと我は思うぞ?」
田中君が言った。綿菓子ちゃんは少ししょんぼりしてしまった。すると齋藤君が話をした。
「えーと、俺達が見たところも一つしか無かったぞ。...なんの部屋だっけ?」
齋藤君が田中君に聞いた。
「おいおい...普通に覚えられた部屋だったろ?まぁいいか、俺達が見た部屋は図書館だろ?」
「あ、そうそう図書館だぜ!」
「図書室じゃなくて図書館なのか?」
と参大君が聞くと。
「あぁ、プレートには図書館と書かれていて、中も図書室とは言えない広さだったぜ。」
「どんな本があったの?」
僕が聞くと。
「結構種類あったぜ、詳しくは見てなかったがかなりの本があったぞ。」
「なるほど。」
「じゃあ最後に参大君が行ったところを教えてくれる?」
「無論じゃ、ワシが行ったところにあった部屋は3つ、その内二つは繋がっておったぞ、技術室とコンピュータ室だった気がするわい。あとの一つは鍵がかかっていた。」
話を済ませるとアナウンスが流れた。
「えーオマエラ!午後6時になりました。皆で晩御飯を作り、準備をしましょう。」
アナウンスが終わると齋藤君が。
「よし、アナウンスもなった事だし戻るか。」
食堂に集まると皆が見たものを言い合った。
「西側には体育館に繋がる道と2階に行くための階段しかなかったよ。階段にはシャッターが下がってて行けなかったけど体育館は普通に行けたよ。」
恋水さんが言った。
「俺達が行った北口は筋トレ室、シャワー室、武道場に行くための道だけだ。」
一階の規模が少ないな...2階も少ないのかな?疑問に思ったが今はどうでもよかった。とりあえず女子達が作ったご飯を食べ自分の部屋に戻りすぐに眠りについた。
翌日、僕は思い知らされる事となった。メス・ゴリが用意した、動機が原因で最初のコロシアイが始まる事を...
3巻終了
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