離婚とは無縁の人にも読んで欲しい、力強いメッセージ

第一子が生まれたその日に夫が行方不明に。
そのまま3ヶ月、音信不通に。
何て奴だ!
ここから気丈に離婚調停に持ち込む主人公ですが、
そこから夫とその母親の、思いもしなかった闇を知ることになります。

いや、「主人公」という表現で良いのでしょうか。
これは、作者が体験した離婚調停を扱ったドキュメンタリーなのです。
小説を読むようにぐいぐい引き込まれていくのですが、これはもしかして不謹慎?
そう思いながらも、一気に読んでしまいました。

この引き込まれる感じは何なのだろう、と考えるに、作者が何度も語っているとおり、ご本人の持ち合わせている「創作脳」、つまり、仰天するような状況も物語のようにしてしまう能力に寄るところが大きいのかと思いました。

しかし、最終話まで読んで、それだけではない、と思いました。
それは、作者が夫や義母への恨みよりもずっとずっと強く、支えてくる人への感謝と愛情を綴っているからです。
これがなければ、しんどくて、ここまでは読めなかったでしょう。

離婚という経験がなくても、何か辛いことを経験した、あるいはそのさなかにある人に、作者が最終話で語っていることは、きっと勇気を与えてくれるでしょう。

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