作品タイトルの命名が奮っている。
ワイドショー的な興味を引く言葉、離婚。更に調停。少々後ろ暗い雰囲気を纏う言葉を、ちょっくら、なんて軽いノリで軽くする。
作品自体もタイトルと同様です。
砕けた口調で語られる体験談は、決して暗くはなく、未知の人生経験をバーチャルに味わえると言う意味で有意義です。
時系列で語られるので、分かり易いレポートとなっています。そして、随所に経験者としてのアドバイス。
こう言う作品に出会えるのは、投稿サイトの長所ですね。書籍や雑誌のエッセイでは有り得ないし、ツイッターの類でも文字数的に有り得ないから。
なぜか出産と同時に失踪した夫との、泥沼化した離婚調停事件について描いた小説(とあえて言う)。
事実は小説より奇なりとは言ったものだが、重要なのはどれほど突飛な話かというよりも現場の臨場感であり、本作にはそれが実によく表現されている。
内容的には、失踪に端を発する様々な問題を調査していくうちに、あれよあれよとやばい事実・出来事が明るみに出るところが眼目であるが、私が本作最大の魅力であり特徴と考えるのは何と言っても文体である。
本作は一応自分の体験記なはずなのだが、起きた出来事がそのまま羅列されているというよりも、自分の中で、整理・圧縮・再配置された上で、極めて疾走感のある独自の語り口で描かれ、そして終わっているというところが実に素晴らしい。
つらい境遇に置かれ、陶酔的な話しぶりになってもおかしくない状態であるはずなのに、この作品は非常に客観的に描かれている。舞城王太郎の『阿修羅ガール』を彷彿とさせた。
普通の人はあまり縁がないだろう調停のシーンを社会科見学的に楽しむこともできる。お勧めである。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=村上裕一)
いやもう、まずはお疲れ様でした、と言いたくなるエッセイです(笑)
とにかく読んでみていただければわかると思うのですが、ええ!?マジ!?そんなことある!?ということの連続で……いやはや、これを乗り越え、いまを謳歌しておられる七津さんには頭が上がりませんね。素晴らしいです。
かくいう私も離婚経験こそないものの(どころか結婚すらしていないのですが)、なかなか「わ、わかる〜!」な部分も多くて、そしてそれをネタにしてしまおう……とつい考えてしまう創作脳を持つ者どうし、きっと深いところで通じ合えるわ……とかなんとか思ってしまいます。
そして、やっぱり創作やっててよかったな……という結論にたどり着いたり着かなかったりします。
なんかもう何がいいたいのかよくわからないレビューになっていますが、とりあえず、読んでみなよってことです。
小説しか読む気はない?ノンノン、そんなこと言わずに。
胸がギュッとなったり、切なくなったり、嬉しくなったり、熱くなったり……この作品は、感情表現が豊かな上にユーモア溢れる文章で綴られており、エッセイにとどまらない読み物としての魅力に溢れています。
そして読み終わったときにはたぶん、あなたの頭上にカラッと眩しい青空が広がっているはず。
勉強になるし共感できるし創作への愛も再認識できるし、当たり前の日常に感謝したくなるし大切なものをもっと大切にしようと思える。
そんな、素晴らしいエッセイです。
こちらの作品の作者様の場合はお子さんが生まれたちょうどその日に元旦那が問題行動を起こして、離婚調停の日々がお子さんの乳児時代と重なってしまったがゆえの不幸もあったわけですが、結果として今自由な子育てをなさっているように感じられるラストで、とてもほっとしました。
育児とは何なのかを考えさせられました。
お父さんがいなかろうが、お母さんがいなかろうが、育ててくれる人が幸せそうなら子供は幸せなんだよなあ。
世の中には子供がいないうちに離婚する夫婦もたくさんいると思います。そういう夫婦が離婚調停をする場合もあると思います。
でも、「子供がいるから離婚できない」とか「子供がいたら離婚できなかった」とか、そういう話はしょっちゅう聞くので……子供がいても離婚できるし普通に暮らすことができる!!という結末で締めくくられたこちらの作品はとても多くのひとびとの希望になると思いました。
お疲れ様でした!
これからも作者様と息子さんに幸せな人生がありますように!
第一子が生まれたその日に夫が行方不明に。
そのまま3ヶ月、音信不通に。
何て奴だ!
ここから気丈に離婚調停に持ち込む主人公ですが、
そこから夫とその母親の、思いもしなかった闇を知ることになります。
いや、「主人公」という表現で良いのでしょうか。
これは、作者が体験した離婚調停を扱ったドキュメンタリーなのです。
小説を読むようにぐいぐい引き込まれていくのですが、これはもしかして不謹慎?
そう思いながらも、一気に読んでしまいました。
この引き込まれる感じは何なのだろう、と考えるに、作者が何度も語っているとおり、ご本人の持ち合わせている「創作脳」、つまり、仰天するような状況も物語のようにしてしまう能力に寄るところが大きいのかと思いました。
しかし、最終話まで読んで、それだけではない、と思いました。
それは、作者が夫や義母への恨みよりもずっとずっと強く、支えてくる人への感謝と愛情を綴っているからです。
これがなければ、しんどくて、ここまでは読めなかったでしょう。
離婚という経験がなくても、何か辛いことを経験した、あるいはそのさなかにある人に、作者が最終話で語っていることは、きっと勇気を与えてくれるでしょう。
衝撃的でした。まず、タイトルに目を奪われて来てみれば、信じられない、ありえない、現実なの? と唖然呆然。でも、不運を糧にしてユーモラスに綴られている作者様の強さと人柄に惹かれて、すぐに読みたい! という気持ちに。
そしてその内容は、出産という本来喜びあふれる日に、夫が意味不明に行方をくらましてしまうという、とんでもないもはや事件から始まります。その時の複雑な気持ちから、次第に毅然と離婚調停に臨む姿を、読者が馴染みやすい表現で分かりやすく伝えてくれます。
そんな大変な中、子供に向ける愛情は純粋で、心が洗われます。
世の中にはこんな人もいる。自分も人生頑張ろうと奮い立てるエッセイです。
楽しみになんて言うと不謹慎ですが、おもしろく記事が書けていると思います。私もバツ1、離婚経験者です。離婚て、だんな側に言い分があり、妻の言い分もあり、どっちも悪いのかなって今になって思います。お互いを思いやる心がなく、感謝の気持ちが欠けた夫婦に訪れる、禁忌の扉のように思います。が、しかし、あなたの旦那さんは特別。男としての役割、人間として、旦那さんとしての最低限の役割を果たしていない。こういうクズみたいな男がいるんだなって、改めて感心しました。最近は免疫力が付きましたが、本当にクズみたいな人って世の中にいるんですよね。でもまだ若いんだから、前を見て次なる男性をゲットしてください。くれぐれも、カスをつかなまないように…。それでは、バイチャ。