ぼくにとって、この作品は。

眠ろうとしたらね。
ぼくのところに、ちっちゃな羊さんたちが、わさわさお喋りに来たんだ。
それぞれ、色んな風合いの毛布を持って、かけようとするんだよ。

あったかく包んでくれたり
どきどきするような冒険談を話してくれたり
どれも、ほのかに愛に包まれているんだよね。

こどもの頃、眠る間際に目を閉じると
ぼくには、紙芝居みたいなものが見えたんだ。あの時のように。

あの頃は、自然と共に生きていた。
近くには川が流れ、振り返ればいつもそこには山があった。
棒きれを持って、いつも何かを探すように、確かめるように。
側には、いつも何か蠢くものがいたんだよね。

そんな忘れていた情景が一気に目の前に提示される。
自分より小さなものを慈しむのは、君が優しいから。
君にふれられてしあわせな顔をした小さな生き物たちの笑顔が浮かぶ。

その他のおすすめレビュー

水菜月さんの他のおすすめレビュー242