小さきもの達への、優しいまなざし

 アリにアリジゴク、カタツムリ、ミミズ、バッタ、ダンゴムシ……。猫、子犬、吸い込まれそうに鮮やかな夜空、物語のなかの出会ったことのない動物たち、そして弟。
 子どもにとって世界はまだ小さく、そこに暮らすものたちとの距離もうんと近く色鮮やかで、賑やかで楽しいのだと思います。
 この作品は、そんな世界が身近にあったことを、思い出させてくれます。いきもの達へそそがれる作者さまの眼差しの優しいこと。温かな愛情が、文字から伝わってきます。

「間違えて人に生まれて来てしまったのではないか」と仰る作者さまですが、この感性は人ならでは、と私は思いました。



 ところで、オオタカと猪の件は、何故そうなったのでしょう?
 とても気になります(期待)。

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