『落下』が晴れがましいこととされている世界で、『落下』を教える学び舎で出会ったふたりの物語。秘密を抱え、ほかの学友たちのようには『落下』に夢や希望を抱けずにいる、りつかと、りつかの憧れのひと、ぎんせ。彼女たちは、どこから来て、どこへいくのか。戻ってくる日があるとして、それは数年後か、数百年後か、あるいは数万年後か。それぞれの秘密を胸に、彼女たちは『卒業の朝』を迎える……ただ一度の『落下』のために、ひたすらに舞う彼女たちの不安と祈り、希望が溶け合って結晶となったような、静かなラストシーンが美しい作品。
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