ⅶ
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入学式の日、初めてこの彫刻を目にした雪の子たちは、陶然として顔を火照らせる。入学審査をパスした喜び、親元を離れて暮らす期待と不安、まだ見ぬ未来の果てしなさ……。すべてをあまさず受け止めて歩くには、彼らはまだ幼すぎ、小さすぎる青い実だった。
だから、像の台座に刻まれた詩の一片に気がつくのは、もう少し先になるだろう。
台座には格調高い書体で、こう記されている。
〈美しくあれ、ふるまえに〉
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