呪物公園

作者 ぴぃた

103

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★★★ Excellent!!!

ホラーというと、単に怖さを追及した作品が多いのですが、この作品はそれだけではありません。


この小説には、さまざまな個性的な人物が登場します。


登場人物は個性的ではありますが、私たちにも共感できる部分がたくさんあると思います。



だからといって、恐怖的な要素が薄まっているかというとそうではなく、


私たちの日常にも、そういう恐ろしいことが起こるのではないかという、身近な恐怖を感じてしまいます。



怖いながらも読み進めるごとに物語に引き込まれてしまう、そういう魅力がこの小説にはあると思います。



この物語のなかでは、呪物というものが中心となっていますので、私はこの呪物を意識しながら読み進めていたのですが、


この呪物がどう絡み合っていくのかとてもハラハラしながら最後まで面白く読むことができました。

★★★ Excellent!!!

亡霊が生み出した曰く付きの品『呪物』を巡る群像劇から、物語はスタートします。

一つ一つの呪物がそれに関わる者達を大きく翻弄する、オムニバス形式で綴られる物語はどれもぞっとするほど恐ろしく、自分の身近にあるものももしかしたら……と考えて、トイレに行くどころか身動きするのも怖くなってしまいました。

しかし、恐怖は呪物単体に留まりません。
これらの群像劇は物語の前夜祭にすぎず、全てのエピソードが一つに収束するのです。

後半はもう、先の見えない恐怖、亡者に襲われる恐怖、欲望に囚われた人間の恐怖と、様々な恐怖のオンパレード!
一話読むたびに心が削られ、もしや自分自身も『読む』という行為で呪物に触れてしまったのではないかと、本気で震えました。

けれどこの作品の素晴らしい点は、ただ怖いばかりではなく、その恐怖の裏に潜む悲しみや弱さについて触れられていること。

恐ろしいだけの存在であった亡者達も元は自分と同じ、いやそれ以上に傷つきやすく繊細な心を持つ『生者』だったのだと気付かされた時は、不覚にも涙が零れそうになりました。

呪物に導かれた者、そして呪物が導く先には何が待ち受けているのか?
ホラー好きな方もそうでない方も、まずは一話を開いてみて下さい。

呪物に魅入られるかの如く、止まらなくなりますよ!


★★★ Excellent!!!

この物語には、呪物と呼ばれる不思議なアイテムが幾つも登場します。
しかしリアリティを失っていないのは、この作品が人間の本質や欲望、執着について描かれているからではないでしょうか。
望む望まないに関わらず、呪物を手に入れ、次第に抜け出せなくなっていく人達。
それぞれが1つの物語として質が高く、どの主人公にもどこか共感できる部分があります。
そんな登場人物同士が後半で入り混じっていく展開は面白かったです。
ドキドキしながら読ませていただきました。
続編はあるのでしょうか。

★★★ Excellent!!!

まずはじめに、私はホラーが苦手です。よくあるヤラセっぽい心霊番組ですら目を背けたくなるほどです。

そんな私がなぜ今作を手に取ったか……。

きっかけは何だったのか……。
(※皆さんの素晴らしいレビューに惹かれた為です)

もしかしたら、私のスマホが呪われてしまっていたのかもしれません。
(※皆さんの素晴らしいレビューに惹かれた為です)


毎夜寝る前に何故か気になって開いてしまう。

前編の怖さは私のようなホラー初心者には戦慄を覚えさせるほど。

ゆっくりと日常を蝕んで行く恐怖。それがポツポツと脈絡の無いように、様々な人々に訪れます。

そんな一つ一つの物語が、ゆっくりと束になり、やがてそれは大きなウネリとなって私達読者に雪崩れ込んでくるでしょう。

ぜひ多くの人に手にして頂きたい物語。

最後にもう一度言います。

私はホラーが苦手です。

そんな私が最後まで読み切ったという事。
それは、この物語が決して緩いホラーだという訳では有りません。
怖がりが、怖がりながらもスクロールする手を止める事が出来ない。

そう言った恐ろしいまでの魅力を持った物語だと言えます。

ぜひ一話から読んでみて下さい。

★★★ Excellent!!!

物語のキーアイテムである呪物。
これは文字通り、曰く付きの物です。

ただ、これを使った者すべてが悲劇的な運命を辿ったのかといえば、
そうではなく救済された者さえいると感じました。

いや、救われた者のほうが多い気がします、人生の中で感じる、不条理、理不尽、虚無、孤独……そして絶望。

おそらく、この作品の登場人物は呪物を偶然手にしたわけではなく、
必然的に望んで呪物を手にしたのだと思われます。

オムニバス形式ですが、ぜひ1話から読んでください、事細かな人間関係の輪郭が浮かび上がってきます。

★★★ Excellent!!!

 スクリーンの幕が上がる。すると、そこに広がるのは毒々しいまでに赤く染まった夕空。視線を落とせば、どこででも見かける平凡な街並みが、今にも闇に呑み込まれそうに沈み、佇んでいる。
 たとえば、そんな印象的なシーンではじまる映画を見るような気持ちで、読者は作品世界に誘われていきます。

 自分の隣にもいそうな普通の人たちが、『呪物』を手にしたことによって、ある日突然放り込まれる生と死の狭間。死に引きずりこまれるか、生をつかみ取れるか。いくら抵抗しても、読者は当たり前のように彼らの恐怖に自分を重ねてしまう。

 前半は、さながら壁に浮き出た染みのごとく。黒く不吉なそれが少しずつ人の形になっていく様を無理やり見せつけられるような、恐怖を味わえます。そう、ジワジワと迫りくる恐怖です。
 対する後半は、迫りくるものに追いかけられるドキドキ系の恐怖。
 ひと粒で二度美味しい!

 けれど、不思議ですね。登場人物たちには悪人もいますが、それぞれが自分なりに生きる意味を、目的を、自身に問い直し、見つけようとあがき、しがみつく姿に、私は人間の強さを感じています。読み手にそう思わせるところに、このホラー作品の厚みがあると思うのです。

 しかし──一度読んだら忘れられなくなるこの作品こそ『呪物』かもしれませんよ。

★★★ Excellent!!!

私はあまりホラーやオカルトに興味のない人間です。
幽霊や怨霊なんて実体のないものより、生きた人間の方がよほど怖いと思うから。

お話はオムニバス形式で進行します。
『呪物』という、恐ろしい力を宿したアイテムを手にする登場人物たち。
それぞれ、劣等感や虚栄心、抱えきれない欲望など心の闇に端を発して、呪物の力に取り込まれるように人生を狂わされていきます。

すぐに、夜遅くに読み始めたことを後悔しました。
怖すぎる。
目に視える風景だけでなく、匂いや音など五感に訴えかける心理描写が巧みで、作中の現象がまるで我が身に起きたことであるかのように感じました。
特に『ガラパゴス携帯』の話は背筋が凍るほど恐ろしく、その後うまく寝られなくなったほどです。

オムニバスで綴られるエピソードは、それぞれに関連性があります。
前編で登場した『呪物』の虜となった人々が後編にて一堂に会し、張り巡らされた伏線が回収されていく様は圧巻でした。
幾重にも重なった人々の業が一挙に浄化されるラスト。思わず感嘆の溜め息が漏れました。

最後まで読み通して、思うのです。
やはり、生きた人間が一番怖い、と。
もっと言えば、生きた人間の心の闇が生み出した、生者を亡者に堕としてしまうほどの念が、恐ろしいのだと。

大変面白かったです。
心が弱った瞬間など、怪しげなものを拾わないように気を付けようと思いました。

★★★ Excellent!!!

今まであまりホラー小説という物を読んだことがなく、読んでも「不思議だな」や血みどろでおぞましい、とは思っても、「怖い」と思うことがなかったのですが、この作品で、「ああ、文字が怖い」という体験をしました。

空白も怖いんですよ。薄気味悪いっていうか、忍び寄る恐怖と言いますか……。

前半に次々と語られていくエピソード。多くを書き込んでいないだけに、薄ら寒い感じがします。それが怖い。

様々な弱さを持つ登場人物たち。次第に、彼らの一つ一つのエピソードが重なり合うのに気づいて……。

始めは例の有名な「本当にあった」的な印象で進みます。でも「ああ、いいところでっ」で、プツンっと終わってしまう。後半にかけては、ドラマというより、映画を見ているような加速させる熱さがある。


ただ「怖い」だけでは終わらせない、エンターテインメントある作品です。

★★★ Excellent!!!

ちょっと気になるなーと思い、読み始めた瞬間引き込まれました。

最初は『呪物』というテーマに沿ったオムニバス小説だと思ったのですが、ちょっとずつ繋がりが見えてきたと思った瞬間、全体図が広がり衝撃を受けました。

各物語ごとに、いろんな人物の人生や価値観、立場が文章を辿って伝わってきます。その人物の思考に引き込まれ、実際に自分がその瞬間に立ち会ってるような緊迫感を味わえるのが、とても好きです。
あまり好感が持てない人物が描かれていても、その人物に引き込まれているせいか不快感が感じられません。
また、全ての人物の個性がはっきりしているのに、全員が集まっても衝突せず物語に調和されているのがすごいと思います。どういった展開になるのが予想がつかないのに、各人物の結末を見ると納得してしまいますね。

数話読んだ後、一気に読むのが勿体無くて少しずつ読んでいたのですが、結局最後まで見てしまいました……
今となってはもっと早くこの小説に出会えなかったのが惜しいぐらいです。

次の更新が待ち遠しいです。物語の最後まで付いていきます!

★★★ Excellent!!!

コワ面白い!!
前半は、「呪物」を手にした一人一人の恐怖短編集で、
後半はそれぞれが折り重なる群像劇となっています。
人間の狂気、怨念、からの恐怖現象……
「物」にそういった念が宿る、という設定も日本人にはなじみ深く重みがありました。
それぞれのキャラクターも生きた血が通っていて、それぞれに人生があって、それがまたリアリティや奥行きをもたらしていると思います。
また、「公園」という場所がキーになるのも面白いですね。
「呪物公園」特設サイトも拝見しましたが、地図とか写真とかあって雰囲気が増し増しでした><
個人的に一番キタのが、繰り返される夕暮れ時のアレですね。なんだか異様で、夢に見てしまいそうで……。
感性に響いてくるものがありました。
深夜に読んだのでトイレ行けなくて困りました。
トイレ行ってから読み始めることを強くオススメします。

★★★ Excellent!!!

短編連作のような形で始まる、この話。
不思議な、そしてもちろん恐ろしい能力を秘めた「呪物」が、それぞれの作品のテーマです。

「霊に触れられる軍手」や「呪いのメールを送ってくるガラケー」など、怪談話としても魅力的な小物があれこれ登場します。
このアイテムも楽しいのですけども、話が本気で動き出すのは、二部構成の後半です。

読み始めた方は、ぜひこの後半までは辿り着いて欲しい。
緻密に構成され、全ての話が有機的に繋がっていく様が、何より圧巻なのです。
最初はバラバラだった登場人物たちが、やがて一つの主題に引かれて集結していく。
そう、それが「呪物公園」です。

日本的でオーソドックスなホラーを、巧みな構成で描き切った力作、ホラーファンなら見逃せませんよ!

★★★ Excellent!!!

物語の核になる亡者の楽園の説明のくだり以外は一気に読めます。
登場人物1人ひとりに味があって、短編で場面が変わってしまうのが寂しいくらい、もっと読みたい気にさせてくれます。
前半で、引き出しをひっくり返したように散りばめられたフラグを、後半で回収していくのはやはり通快。
どうまとめるのか楽しみです。

★★★ Excellent!!!

 日常の陰にひっそりと存在する呪物と業に追われる人々の物語。
 派手ではなくどこか人生に寄り添うようなしっとりとした恐怖とザッピングする構成の連鎖に目が離せなくなります。
 雑多な文法でもなく表現力もしっかりとできあがっています。
 作者様の人生観や哲学が滲み出ているのでそれにも共感できました。ただ怖がらせるだけで終わらない一つの読み物として楽しめます。個人的には業を重ね続ける柳と空っぽの人生を生きる村寺の対比が構成的に美しくて好きです。
 今後の展開を楽しみにしていきたいです。

★★★ Excellent!!!

冒頭から最後まで緻密に組み立てられている物語です。故に、問われ、そして読み手が答えます。なるほど。え? あっ、そうきたか。と、驚きとともに。

どんな計算方式でこの物語が作られているのかは私には想像にも難しいのですが、とにかくこの衝撃的な展開の連続には凄いの一言しか出ていきません。

面白い。これはそんな小説です。

★★★ Excellent!!!

最後に残ったものはどうしようもなく凶悪になるーー

とまぁ、こじゃれたフリはこのくらいにして、いや純粋に面白かったです。

前半はオムニバス形式のホラーが続いていて、一つ一つの話がゾクりとするだけじゃなくていろんな人間味に溢れています。で、良いところで途切れるなぁと思っていたら、それが後半にどんどん組み上がって大きな物語になっていく。最初から綿密に設計されていたことを目の当たりにして溜息が漏れました。

おまけにこれだけ登場人物がいて、それぞれの嗜好や行動がすんなり頭に入ってきます。筆力感じます。見習いたいです。

★★★ Excellent!!!

読了し、最後まで本当に素晴らしかったです。ホラーという枠を超えて、見事な作品です。

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(1月2日、レビュー。三十二話まで読了)。

物語の全貌がほぼ明らかになり、緻密な設定と作者の想像力には驚かされるばかりです。この面白さときたら…!
ぜひ一緒に最後まで追いかけましょう!! と他の読者さんに呼びかけたくなる作品です。

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(最初のレビュー)
タイトルが秀逸でインパクトがあるので、ひとこと紹介もあえて「呪物公園」で。
オムニバスですが、各話、登場人物やストーリーの書き分けが見事。内容は自然と頭に入ってくると思います。じんわり恐かったり、ハラハラドキドキしたり、内容は多彩。アイディアの面白さだけでなく、心理描写の巧みさが特徴。
読み終わってからレビューと思っていましたが、おそらくあと4万字くらいありそうなのと、結末どうなるのかな?と待つ楽しみもある作品だと思うので、この段階でのレビューとしました。結末がどうであれ、ここまでで十分☆三つと思いました。