新しいテーマパークで行われるイベントの招待状が、主人公である女子高校生に届く。招待された場に集まったのは、全員同じ高校の生徒だった。そんな主人公たちを待ち受けていたのは、残酷な罰が課されるダウトゲームだった。
このダウトゲームは、秘密を暴露し合い、より重い秘密を暴露した方が勝者となる。そして敗者は奈落の底で、グリム童話の原話通りの罰を受ける。シンデレラの間の敗者は靴に合うように足を切り落とされ、ラプンツェルの間の敗者は荊の上に落とされて目を奪われる、といった具合だ。お互いの恥部や戦略が飛び交い、好意を寄せていた相手との残酷なゲームもあった。
そんなダウトゲームの中で、ある雨の日の真実が明らかになっていく。主人公たちの高校の近くの川沿いで起きていた連続殺人事件。そして、主人公たちが抱えていた闇。何が本当で、何が嘘か。
果たして、生き残れるのは誰か?
敗者への凄惨な罰を与えるシーンもありますが、グリム板の童話の世界と一緒になっているので、不思議と拒否反応はありませんでした。1話1話が短く、思わず一気読みしたくらい面白かったです。
是非、御一読下さい。
あるテーマパークのプレオープンに「招待」された高校生たち。そこで彼らを待つアトラクションには恐ろしい罠が隠されていました。ひとりひとりに迫る究極の選択。「ダウト」の言葉とともに暴かれていく秘密。
デスゲームのモチーフとして用いられるグリムやペローの童話には、教訓としての恐ろしい罰が登場します。本作で敗者に与えられる罰ゲームは忠実にこの原作になぞらえてあり、読む者を戦慄させます。ホラーとしては効き目抜群の恐ろしさです。
しかし本作の面白さはホラー的要素だけではありません。勝つか負けるかの状態に置かれた人間が見せる本性、その狡さや弱さがしっかりと描かれています。そして極限だからこそ吐露される本当の感情。ダウトすることで自分の本音や過去の闇に向き合わざるを得ない苦しさ。この感情の揺れが強く伝わってきて、とても読み応えがあります。
ミステリーとホラーの融合したストーリー展開に引き込まれ、読む手が止まらなくなることでしょう。このゲームの目的は、そして真実はいったい何なのか。それはぜひ最後まで物語を体験してお確かめください。
私が月花様の作品と出会った時。私にとって月花様は、恋愛作品の女王でした。
次の作品と出会った時、ミステリーの女王様になりました。
さらに、今回の作品と出会った時。私は次のように心配してしまいました。
「月花様に何があったのだろうか」
恐ろしい潰し合いの中に、甘酸っぱさが漂うミステリーでした。
ここで私は、正直困っておりました。
本来、私はデスゲーム系、惨劇系の作品とは距離を置いていたからです。
何故なら『寝た子を起こす無邪気な害悪』と位置付けているためです。
表現の自由を簡単に謳歌できる昨今において、境界線を敷く前に侵食するツールを手にする機会は低年齢化し、選択をする前に突然現れ、囚われたあげく
サイ○パス、メ○ヘラ女(男)に代表される、響きに酔い使用され一人歩きする単語の中にある本来の起因、定義、病に至る危険を見過ごし、
『これが私の個性』『私だけが特別』
という幻想を脳内で現実に変換してしまう。
と、現実とエンターテインメントについて語っていては、何ともつまらない人生でしかないワケなのです。
こんな私のつまらない括りやゴタクさえ吹き飛んでしまう面白さと魅力が、月花様の作品にはあるのです。
そうです。距離を置いている私が最後まで拝読してしまうくらい引き付けられてしまう。
それが、月花様マジックなのです。
少々、閲覧には注意してくださいね。
そんな前置きをしつつも、私が避けたいと位置付ける表現は、スパイスとして必要な旨味を引き出してしまう月花様が駆使するフェアリーテールとの親和します。
それは『ダウト』を語るためには欠かせない表裏の招待状となって読み手を招き入れ、惨劇の風景すら荘厳な舞台装置として我々を虜にするのです。
月花様の懐深い趣向が織り成す『ダウト』。是非ともご堪能くださいますように。
最後になりましたが、月花様。
いつもいつも、素敵な物語を世に出してくださって、本当にありがとうございます。
ある開業前のテーマパークから、特別イベント参加の招待状を受け取った高校生たち。
現地に到着すると、突然謎のゲームに強制参加させられることに!
しかも、そのゲームに敗北した者に与えられる罰とは……。
いわゆるデスゲームですが、話の進め方、罰が与える恐怖を盛り上げる手法がとても上手く、先が気になりすぎてどんどん読み進めてしまいます。
デスゲームには欠かせない、ラストのどんでん返し、その後に後引く余韻も素晴らしく、すっきりとした読後感を味わえます。
恐怖に引き込み、納得のラストでまとめる手腕が光る、読み応えある作品。
きちんとオチのついたホラー、デスゲームがお好きな方にぜひ読んでいただきたいと思います。
ご縁がありこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
物語は主人公達の元に届いたメールにより、開演前のテーマパークへ招待されるところから始まります。
その中で行われる「ダウト」というゲーム。より大きな秘密を曝け出した者が勝者という、理不尽なもの。
敗者に待ち受けるグリム童話の原作にちなんだ罰から逃れる為に、主人公達は次々と自身の秘密を暴露していきます。
そんな彼らのやり取りと行動。仲が良かった相手すらも疑わしく思え、声を荒げる様子等、極限状態に置かれた人間の様子が丁寧に描かれており、思わず読み入ってしまいました。
ラストに待ち受けるのは、驚愕の真実。それを語るのは、もちろん本編の中です。
デスゲームに放り込まれた高校生達の運命とは。そして主催者の正体と、その目的とは!?
他の皆さまも是非読んでみてください。
オープン前のテーマパークで繰り広げられる理解不能で理不尽なデスゲーム!
読み進めるごとに謎が増えていき、そして逃れられない恐怖へと落ちていきます。
各エピソードは、毎回気になるところで終わる構成(これは作者さまの得意技とも言え、作者さまの他の作品でも発揮しています♪)となっており、この演出もまた、次のエピソードまで恐怖の余韻が続きます。
また、恐怖だけが連発するわけではなく、主人公の育ってきた環境やテーマパーク成り立ちなど、ゲームの背景にある描写もしっかりされており、ドラマ性のあるホラー作品です。
「第37話回想6」まで読んでのレビューとなりますが、ゲームに終わりはあるのか、そして生き残れるのか!?
続きを見守りたいと思います。。
デスゲームやソリッドシチュエーションホラー好きの方におすすめです♪
集められた8人が、わけもわからずデスゲームに参加する。
逃げることはできず、負ければエグい罰が待っている。
こう書いてしまうと最近よく聞く「いきなりゲームスタート」なやつなんだろうなと思うのですが、いきなり謎なのがルールのあいまいさ。
ダウトをコールして互いに話した内容によって勝敗が決まるけれど、なにをもってそれが決まっているのかがとにかく謎でした。
それが意図していのことなのか、ただの主催者の趣味なのか。いったい主催者やゲーム参加者たちにどのような繋がりがあるのか、それとも。。。
その謎が解き明かされるのを待ち焦がれながら、読み進めていました。
もう一つの特徴として、罰の内容に童話が使われていること。
誰もが知っている童話だけど、本当の結末や内容は意外にもグロくて、その内容に沿った罰。これはかなり怖いです。
このレビューを書いているときは、まだ結末まで投稿されていないのですが、オチにかなり期待しちゃってます。
いやしかしこの作者様の作品、ホント読みやすいし綺麗に纏まってるなあって毎回思っています。
夜のテーマパークに集められた高校生たちが、恐怖のデスゲームに巻き込まれる話です。
ダウトという、秘密を暴露しあうゲーム。
つまり皆それぞれ秘密を抱えているわけなのですが、彼女たちの内面、心理が非常にリアルに描写されています。笹原さんの母親に対する気持ちは特に……引き込まれました。
そして、一つ一つのゲームの罰が、おとぎ話を題材としたものになっていて、この話だけでも面白いのですが、これによってゲーム自体に変化がつけられてあるので、飽きるということがありません。
デスゲーム系の話は、大概がその凄惨で理不尽なゲームが主軸なので、僕はあまり好きじゃないんですが、この小説はおとぎ話の部分や各キャラクターの抱える秘密とその心理描写、そして密かな恋愛話のおかげで、かなりハマれました。笹原さんたちはどうなるのか。物語はどう終わるのか。とても続きが気になります。
とにかく、なのでグロいばかりのものは無理とか、怖いのはちょっと……とかっていう人でも全然読める、読みやすい小説だと思います。
ぜひ一読を。